第66話

「あー…そうだ、お前明日から帰る前に俺に連絡しろ?」



「……えっ…?連絡、していいんですか?」



「…は?何のための俺専用スマホ?あれはお前が俺に連絡を取るために用意した専用なんだよ、使っていいに決まってんだろーが」



「いやっ…でも私から連絡するのって何だか申し訳ないっていうか、」



「俺がいいって言ってんだから、いーんだよ」




正直……身体を重ねる為だけの関係だと思っていたので、自分から連絡をするようなことは無かったし、唯一自分から連絡を送ったのは”女の子の日になった”と送ったメッセージだけだ。




なのに……帰宅前に連絡をする、なんてまるで恋人みたいなやり取りに、まだ送ってもいないのに既に緊張している自分がいる。




「……例の元カレが接触してくる可能性、あんだろ?あぶねーだろ、普通に。」



「新次郎さんっ…」



「電話できる時は繋げたままにしてやるし、行ける時は迎えに行ってやる」



「そこまで…してもらわなくてもっ、」



「いま、お前に居なくなられると俺が困るから」




またこの人は、何を言い出すのっ…

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