第65話

「はぁ……このまま朝までヤりてぇところだけど、お前アレだもんなぁ。もう2分経ったから戻んぞ。大人しく、俺の抱き枕としての使命を果たせ」




手を握ったまま寝室に一緒に足を運んだ彼は、優しく私の身体をベッドに寝かせる。





「……ん?お前、俺が買ってきてやった腹巻きはどーしたよ?身体温めろって言ったよな?」



「あ…あの、サイズが大きくて脱げてしまって」



「……マジ?あんなもんにサイズとかあんの?てか今までの女は普通にアレ着てたけど、お前がスタイル良すぎるってだけ?紬葵、最強説。」




他の女の子にも買ってあげてた、なんてリアルな言葉を聞きたくはなかったが…そんなことに今更傷つくのもおかしな話だ。





「まぁ……俺の体温で温めてやれば問題ねーか」



「……っえ、ちょ、」



「はぁー…紬葵ってマジで抱き心地サイコー。あぁ…ちなみに本来俺はヤれねぇ女と添い寝するほど優しい男じゃねぇから」




さわさわ、と私の胸元に触れながら新次郎さんはさらに続ける。




「デキねぇのに女と一緒に寝るとかさぁ…紬葵が初めてなんだわ、俺」



「……そんな、嘘っ」



「な、自分でも引いてる。けど紬葵はなんか分かんねぇけど…トクベツなんだろーね。」




……トクベツ、なんて言葉を簡単に口にしないで欲しい。ダメだって分かってるのに…期待してしまいそうになるからっ、、

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