第59話
「…も、もしもし」
『あー…俺だけど。』
「新次郎さんっ、こんばんは…」
『こんばんは…じゃねぇよ、お前今どこ?』
こんな時間に連絡をしてくるなんて珍しい。何かあったのだろうか?
「……家のベットで横になっています」
そんな嘘をついたところでバレるはずがないと思っていた。彼が来るとしたら2時を回る頃だろうし今日は女子の日だと告げているからそもそも来ることはないだろうと高を括っていた。
『へぇー…奇遇だな?俺もいま寝室でお前に電話かけてんだけど…紬葵、お前一体どこのベットで横になってんの?』
─…まさかっ、そんなはず、、
『俺に嘘をつくなんて、いい度胸してんな?』
「新次郎さんっ、わたし」
『さっさと帰ってこい…お前の家はここ以外ねぇんだよ。黙って夜に出歩いていいなんて許可した覚えはねぇぞ』
……会いたい。今すぐに会って、抱きしめてほしい。声を聞くだけてこんなにも…安心出来る。
もう誤魔化すことなんて出来ない。私は新次郎さんのことが…好きだ。大好きだ。
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