第49話

──…深夜2時頃、、



ピピピ、と電子音が玄関の方から聞こえてきて慌てて目を閉じて寝たフリをする。




ガチャ…っと控えめに寝室の扉が開かれて、新次郎さんが帰宅したのだと思いつつ、、ベッドの上でひたすら寝たフリを続けた。





足音が近付いてくる音がして、心臓がバクバクと暴れ出す。何か悪いことをしたわけでもないのに、妙な緊張感を抱きつつ…ひたすら彼が寝室を出ていくのを待った。




しかし、いくら待っても彼が出ていく気配はなく…動いている様子もない。この部屋にいるのは確かなのに触れてくることもなければ、声を掛けられることもない。




気になってきて…薄目を開けて様子を確認しようと目を開いた時─…




「よぉ、紬葵…寝溜めして待ってる約束はどーした?」




どうやら私の狸寝入りはバレてしまっていたみたいだ。すぐそばでしゃがみこんで、私のことをジッと見つめる彼とバッチリ目が合ってしまい…言い逃れなんて出来ない状況に戸惑っていると、




「そんなに俺に会いたかった?」




なんてド正論を言われてしまい、余計に何も言えなくなってしまった。

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