第47話
そんな日々がしばらく続いたある日、早番で15時に退勤した時のことだ。
「─…新次郎っ、」
よく知った名前を呼ぶ女性の声が聞こえて…何気なく視線を向けると、前方で信号待ちをしている男女の男性の方を見て…慌てて近くのビルの死角に隠れた。
……外で、出会ってしまった。
この広い世界、あの家以外で会うことなんてないとばかりに思っていたが…まさかこんなに早く出会ってしまうとは。
見間違えるはずがない…昨夜だって、同じベッドの上で熱い夜を過ごしたばかりだ。
目の前にいるのは確かに…私と関係をもっている新次郎さんで間違いないのに、、いま彼の隣には小柄な可愛らしい女の子がピッタリ寄り添っている。
その女の子を見て直感した。彼がお世話をしている大学生に間違いない、っと。そう確信したのは彼女の胸がとても…大きかったから。
──…代わりに抱かせろ、
って、そう言った彼の言葉が今とても胸に重くのしかかった。お金の代わりに、という意味ではなく”あの子の代わりに”という意味だったのだろうか?
そのことについて深く考えるのはやめておこうと思って蓋をしていたが─…実際に彼が女性と一緒にいるところを見ると、ひどく胸が傷んだ。
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