第45話
「一つ、質問してもいいですか?」
「……なに?」
「新次郎さんは、なんのお仕事をされてるんですか?…あ、ちなみに私は看護師をしています。」
人に尋ねる前にまずは自分が、、とかいう仁義を重んじるタイプの可能性が高いと思ったので、先に先手をうちながら質問させてもらった。
「………難しい質問だな」
…そうだろうか?よくある質問ランキング上位に余裕でランクインしてると思いますが、、
「はっきりコレだ、って断言するのは難しいけどさぁ…まぁ、お前もなんとなくソレだって分かってて聞いてるよな?…そーいうことだ、察しろ」
反社、裏社会、闇バイト、極道、ヤクザ、チンピラ…って、色々想像した結果どれがどう違うのか分からなくて聞いてみたかったのですが。
まぁ…”そっち系の人”ってことでいいかな?
「てかさ、お前看護師なんだ?すげぇーな…頭いいんだろ?馬鹿が看護師なんかやってたら患者なんてみんな死んじまうもんなぁ…」
頭がいいのかは不明だが…医者になるほどの学力がなくて家族に見放されるほどの落ちこぼれではある。
「おかしいと思わねぇ?俺も…目の前で人が死ぬ場面に何度も立ち会ったことがある。でもそれは”生かすため”じゃなくて…”殺すため”」
「……え、」
「お前は目の前で弱ってる人間を助けるために働いて…命を救ってる善人。一方で俺は助けを求めて縋る人間を蹴り飛ばして見殺しにする悪人。」
「新次郎さん、」
「住む世界、マジで違いすぎると思わねぇ?それでもさ…いまこーしてるとそんなもん全部、どーでも良くなってくるから、、ヤバいんだよなー」
住む世界が違う…それは確かにそうだと思う。私たちは真逆、正反対の人生を生きているのかもしれない。
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