第43話
「……キスが、シたいですっ」
私のワガママを聞いてくれると言った彼に、そんな最初のお願いをしてみせれば─…
「ん、いーよ。じゃ今日はキス縛りでいくか。最後までその口、塞いでやるから窒息しそうになったら抵抗しろよー?」
そう言って口角を上げて笑った新次郎は、チュッ…と一度触れるようなキスを落としたあと、そのまま寝室に向かい優しく私の身体をベッドへ寝かせる。
「キスもいーけどさ、その前に─…先にマーキングさせてよ。ツムが寝落ちする前に俺のだって印、つけておかねーと。」
慣れた手つきでバスタオルを解き、先程お風呂場で言っていた通り、私の胸元に唇を這わせ何度も何度もキツく吸い上げられる。
「…あっ、あの…、」
「んー…?んだよ、」
「そ…そんなにいっぱい、っ、」
「しゃーねーだろ。面積が広いからその分、多くつけてやってんだろーが…感謝しろ」
感謝すること…なのか?ちくん、と小さな刺激は中々止むことがなく、彼の胸フェチ説がいよいよ固まってきたところで─…
「…じゃ、そろそろ始めるか」
気が済んだのか、今度は私の願いを聞いてくれるみたいで…怪しく笑った彼に微笑み返した瞬間、深いキスが降ってきて…その間、手は私の身体の上を自由に動き回る。
宣言通り、終始口付けを絶やすことなくキスで縛られたその行為は…思った以上に体力を消耗し、早々に力尽きた私の身体を新次郎さんは後ろから優しく抱きしめてくれた。
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