第40話

はぁ…っと、ため息をはいて身体を回転させてこちらに背を向けた彼は、「これでいい?」なんて言って私が入りやすいように配慮してくれる。




今のうちだ、っとバスタオルをその場に脱ぎ捨てて早足で浴槽に向かい…洗面器で一度身体を流してから素早く浴槽に浸かった。




その瞬間を待っていたと言わんばかりに、私が入ったのとほぼ同時くらいにこちらに身体を向けた新次郎さん。




「紬葵、向こうむいて座ってよ」



っと、肩を掴まれて強制的に身体を回転させられ…今度は私が彼に背を向けるようなかたちになった。




なぜ、彼に背を向けることを指示されたのかはすぐに思い知ることになる。




「ちょ、ちょっと…何シてるんですかっ」



「何って…紬葵のデカぱい触ってる」



後ろから手を回してきて、両手で私の胸をさわさわと揉みながら肩に頭を乗せてくる彼に、心臓がドクンと音を立てて暴れる。




「お、お風呂の中で…そーいうのは、」



「わーかってる…って、風呂出たあとならいいってこと?」




──…意地悪だな、、




「あー…悪かった、拗ねんなって。」



あーだこーだ言いながらも、手は休むことなく私に触れ続ける彼は…首筋にチュッと音を立ててキスをする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る