第39話
「……あのっ、一緒に入るって本気で、」
「なに当たり前のこと聞いてんだよ。どーせこのあと服脱いで一緒に寝んだからいいだろ」
「そーいう問題ではっ、」
「ざんねーん、もう着いた。脱ぎたくねぇなら俺が脱がせてやろうか?」
躊躇うことなく着ていたスーツを脱ぎ始める彼に、思わず背を向けて直視することを避ける。
「じゃ、俺…先に入って待ってるから、早く入ってこいよ」
バタン…と、扉が閉まる音がして彼がバスルームへ消えたことを知らせる。先に入られてしまうと後から全裸で登場するさまを見られることになると今になって気付いて…こんなことなら先に入ってしまえばよかったと後悔する。
別に、彼が出てくるまで待っていればいい話なのだが…逆らって現金一括で残りのお金を返せなんて言って迫られても困るので…とりあえず服を脱いで、棚に綺麗に畳んで置かれているバスタオルを一枚借りて身体に巻き付けた。
「……失礼します」
扉を控えめに開いて、中を覗き込めば…浴槽に浸かってこちらを見ている新次郎さんとバッチリ目が合った。
「いや、なんでタオル?置いてこい」
「なんでって…恥ずかしいし、」
「今さら?昨日全部見たけど?」
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