第32話
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午前8時半、勤務先の病院でタイムカードを押していつも通りに出勤する。
家を失ったからといって、職場に住所変更届けなどをする必要は無い。なぜなら実家から通っていると職場には話しているからだ。
「紬葵ちゃーん、明日休みだよね?夜…飲みに行かない?」
先輩の
いつ帰ってくるか分からないが、あの人と…一度ちゃんと話をした方がいいような気がする。
「すみません、今日は予定があって、、」
「あー…またあの年下ヒモ彼氏?溺愛するのもいいけどさ、たまには息抜きも大事だよ?」
遥馬のことを"ヒモ彼氏"と呼んでいた典子さん。他人から見れば私は遥馬に良いように使われているバカな女だと、とうの昔にバレていたのだろう。
しかし、恋は盲目というやつで…溺れてしまっている自分自身は全くそれがおかしいことだとは思えなかった。
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