第23話
頭から温かいシャワーを浴びて、ホッとした。一人になってようやくジワジワと実感が湧いてくる。
「……遥馬っ、」
好きだった、本当に。少し前に仕事を辞めて家にいることがほとんどだった遥馬。私が養ってあげているみたいなところも少しあったけど…
年下で甘えん坊な彼を邪魔だと思ったことは一度もない。むしろ私が支えてあげたい、なんて本気で思っていたのに─…
まさか、こんな裏切り方をされるなんて。
今になって遥馬を失った辛さを感じ始め…シャワーに打たれながら声を押し殺して泣いた。お金や家を失ったことより…遥馬を失ったことが何よりも、、ツラい。
ここを出たらこの気持ちには蓋をする。泣き顔で戻ればきっと新次郎さんは私のことを煙たがるだろうから、こんな女々しい感情は今この瞬間に捨てるんだ。
──…ばいばい、遥馬
私、遥馬のこと怒ったりしてないからさ…だから遥馬はどこかで笑って…幸せに生きるんだよ
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