第22話
「……あれ、なんか思ってた反応と違うんだけど。え…彼氏居たんだよな?まさか初めてだ、なんて言わねぇよな?」
あまりにも唐突で、しかも自然な流れで唇を奪われてしまったので…放心していると、"初めてなのか"と疑問に思われてしまったらしい。
「あ…いえっ、初めてではないです。」
「…そ?ならいーけど。ファーストキスだの処女だのって騒ぐようならすぐに追い出してやろーかと思った」
独自の考えがおありなのだろうけど…ファーストキスでも処女でもなくて、本当に良かった。
「ん、じゃあとりあえず風呂入ってくれば?湯ためてねぇから今日はシャワーしか使えねぇけど、我慢出来る?てか、湯がたまるまで俺がガマン出来ねぇから早く上がってきてよ、ツム」
──…ツム、って。
さっきからたまに飛び出すそのニックネームみいなやつ、やめて欲しいな。『ツムちゃん、』と呼んでいた元彼氏…遥馬を思い出すから─…
「……お言葉に甘えて、お借りします」
「なるはやで、よろしく」
脱衣所とバスルームに案内されて、まるでホテルのような設備に呆気に取られつつ…律儀に出て行った彼を横目で見送って…衣類を全て脱いでバスルームへと足を踏み入れた。
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