第18話

上昇していたエレベーターが停止し、静かに開いた扉の向こうは…まるでホテルのような内装で度肝を抜かれた。



──…この人、お金持ち?



エレベーター内での通話に気を取られ、部屋の回数を見るのを忘れてしまったが…かなり長い時間乗っていた気がするので…2階や3階ではないことは確かだ。




ピピピっ、と電子音が鳴り響き…タッチ式の鍵で玄関扉を開いた彼は私が入るのをただジっと待っているみたいで、、




「………お、お邪魔します」



ロボットのようなぎこちない動きで一歩足を踏み入れると、高級ホテルのVIPルームのような、だだっ広い部屋が視界に入ってきて─…




「こ…こんな豪邸にお邪魔するなんてっ、」



「邪魔するって…それは違うな?ここは今日からお前の家になるわけだし?ただいま…って言ってみれば?」




楽しんでいるみたいに口角を上げて笑う新次郎さんは、私を置いて奥へと足を進める。



……っていうか、土足?!欧米スタイル?




「紬葵、こっち来い」




っと、名前を呼ばれると弾かれたように彼の元へと走り出してしまう私はもう既にすっかり彼に手懐けられているのかもしれない。

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