第17話

思った以上に早く到着したことに驚いたが、運転席を既に降りてしまった新次郎さんを見て自分も慌てて後に続いた。




黙って歩き出した彼の後ろを少し離れて着いて歩く。どうやらマンションの地下駐車場みたいで…二人で並んでエレベーターが来るのを待つことになったのだが、、




突然、新次郎さんのスマホが音を立てて鳴ったので驚いて身体が飛び跳ねた。




「…あ?んだよ、いま忙しいんだけど」




どうやら着信だったみたいで、私がいることなんて気にする様子もなくその場でスマホを耳に当てた。




『Hey新次郎っ!私が頼んだワンピースは?』




周りが静かすぎるせいで、電話の向こうの女性の声がスマホからダダ漏れている。



……彼女かな?




「あぁ…あれな。なんか…手違いで、縮んだ」




到着したエレベーターに乗り込んだ彼は、私が乗るのを待っているかのようにジッと目を合わせてきたので…気まずいなぁと思いつつ、自分も乗り込む。




『手違いっ?!手違いってなに?!!あれがないとドライブデートにいけない〜…、』



「あ?知らねぇよっ!もっといい服、若頭サマに買ってもらえやクソガキっ!!もう寝ろ!」




一方的に通話を終了させた彼はなんだかイラついているように見えて、とても声を掛けられるような雰囲気ではなかった。

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