第13話

「金は要らねぇ─…代わりに抱かせろ」



ふぅー…っと、煙を私に向かって吐き出してから、そんな驚きの発言をしたその男を見て思わず目を見開く。



「1回シたら、1万返済ってことで。どう?悪い話じゃねぇだろ?」



「……じょーだんっ、」



「いや?別に珍しいモンでもねぇだろ?セフレみたいな感覚で、ヤリたいときにヤらせてくれればそれでいい。」



「でもっ…」



「お前さっき、アイツらについて行こうとしてたよな?あのまま一緒にここを出てたらどーなってたと思う?」




どうなってたって、、話し合いをするって─…




「とりあえず、車の中で一発ヤられてただろーね。"世話してやる"って…そーいう意味。」



「……うそっ、」



「その後はまぁ…風俗にでも連れていかれて、場合によってはそのまま働くことになってたかもね?」




私が世間知らずなのか、ただ単に住む世界が違うだけなのか─…今まで持ってきた価値観や知識なんてまるで意味が無い。

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