第12話
「……まぁ、俺も同業者みたいなモンだから。支払う方法は金以外にも色々あんだよ…けどそれはお前が知るような話じゃない。大事なのは終わった金の話じゃなくて…俺が立て替えた金をお前がどーやって返済するか、って話し。」
その人はスーツの内ポケットからタバコを取り出すと、なんの躊躇いもなくライターに火を灯しタバコを一本吸い始める。
……火災報知器、大丈夫かな?
「なに、他人事みてぇな面してんだよ。お前に借金がある現状は何ら変わってねぇんだけど」
確かにそうだと思う。1000万から500万に減額されたところで到底すぐに払えるような額ではない。
家も彼氏も無くし、ヤクザに追われたあとでメンタルだってボロボロだ。今の私にはまともに物事を考えられる余裕など、残されていない。
「なるべく早く返済出来るように頑張るので、少し時間を頂けませんか?」
っと、言うしかないと思った。他の方法なんてすぐには思い浮かばないし…働いて返すしか方法なんてないって─…
「─…却下。今日中に現金一括で用意できねぇなら…俺の決めた方法で、返済してもらう」
………俺の決めた、方法?
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