第10話

私が一千万の借金を背負うことになった経緯を二人組の男から聞き出したその人は「なるほどね」とひとこと呟くと、、




「それさぁ、マジで一千万?だいぶ上乗せしてるよな?聞く限りその飛んだって男…常習犯のクソガキだろ?ガキ相手に一千万も簡単に貸すとは思えねぇ。無知で馬鹿そうな女が相手だから、盛ったところでバレねぇとでも思った?」




なんて低い声で威嚇してみせると「外で話そうか?」と言って私一人だけを残し、スーツ姿の三人はコインランドリーの外へと出ていってしまった。




予想外の展開に戸惑いながらも…思わぬ救世主の登場に少しだけ救われた気持ちになった。




とはいえ、彼氏はともかく─…家を失ったという事実が重くのしかかる。今日この後、私は何処へ帰ればいいのだろうか。




この後のことを思い不安に駆られていたところに入口の自動ドアが音が響いたので覚悟を決めて顔を上げると、、




戻ってきたのはひとりだけで─…私を追ってきた借金取り二人組の姿はなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る