第9話
「逃げても無駄だって、分かるよな?彼氏も家も失って行くとこないんだろ?借りた金、返してもらうまでしっかり世話してやるからさぁ…とりあえず一回ついてこい。話しはその後だ」
お世話をされるって…一体何をされるのだろう?一回ついて行くってなに?その後本当に帰らせてくれるの…?
何にせよ、ここでする話ではないことは確かだ。見つかった以上…大人しく言うことを聞いておくのが正しい選択だろう。
震える足で何とか立ち上がり、気味悪く笑う男二人について歩き出そうとした時だった。
「─…どーでもいいけどさ、誰の許可とってウチのシマで好き勝手してんの?」
一部始終、聞いていたと思われる先程の男性が再び私と二人組の間に入って場を仕切り始める
──…ウチのシマ、
っというワードが飛び出した瞬間…目の前の二人組の顔つきがガラッと変わった。ヤバい、みたいな…そんな焦り顔に。
「ア、アンタもしかしてっ、
「今更?気付くのがちょっと、遅かったね。聞いたからには見過ごせねぇな。その話、俺にも詳しく聞かせてよ」
二人組は顔を見合わせて…さっきまでの横暴な態度とは打って変わって低い姿勢で気まずそうに語り始める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます