第27話

身元バレしてるけれど、先日家まで強制的に送ってもらった際、無理矢理私の家に侵入しようとした糞野郎の舌を噛んで逃れた。甘噛みだったけれど痛かったのか相当怒ってたな。



 あの後、扉越しに怒鳴られて怖かったけれど、すんなり帰って行った事を確認して一安心である。




 翌日も玄関の覗き穴を確認して、報復が無いか確認して恐る恐る家を出たけれど奴の姿は無かった....。






『―――殺してやる。調子に乗りやがって小僧が!!』




 あ―――――、主人公撃たれちゃった。えっ....死んじゃった?あれ、おしまい?




 考え事をしていたら、映画はエンドロール。主人公ヤクザに勝てずに息絶えたよ?




 何とも腑に落ちないバッドエンドに、心はもやもや。



 今までの私の失態というか、若頭の童貞奪ったらストーカーされて、それに怒って暴言を吐き続けた。



 私もこの主人公みたいに、調子に乗るな!!って殺されちゃったりする系?



 洒落にならない状況に、頭を抱えて過ごす。この嵐の前の静けさとは....





 詠斗が私を諦めたのか、それとも何か策を練っているのかは、それは定かではない。当人意外は彼の考えている事が分からない模様だ。





 彼の暴走的行動に振り回されていると思われる下っ端ゴリラたち....あの強面坊主たちが動揺する姿は、思い出すだけで面白可笑しいものだ。





 だけど相手は仮にもヤクザ者。じゃあ彼等の前で、小馬鹿にするように笑えるか?って言われればそれは無理。怖い。

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