第26話

「伊丹....お前険しい顔して何観てるんだ?」



 仕事のお昼休憩中、会社のパソコンで映画鑑賞をしていると、通り掛かった上司が背後から覗き見てきた。





「えっと....任侠ドンパチものですかね。」



 アハハ・・・と、恥ずかしながらに笑って退けると、上司は「伊丹もそうゆうの興味あったんだな。」と苦笑いを浮かべて去って行った。






 先日、指定暴力団山田組の若頭【詠斗】※次期八代目組長らしい超絶美形のストーカー野郎に、ラブホ凸された件を振り返ろう。



 住所、氏名、年齢、職場までもが何故か調べ上げられており、とうとうプライバシーとやらがどう漏れたのか気になった私は、一から彼等の生体についてお勉強中というわけだ。





『――――こちらが、今月分の上納金でっせ、グフフ.....』



『いや~、参っちゃうな~。ガハハ.....』




 ヤクザが悪い奴なのは明白なんだけど、この映画を観るに....完全しろだと思っていた御国の犬(警察)も賄賂で大抵の事を闇に葬っちゃってる辺り....やばくない?



 とある料亭で、明らかに怪しい若頭役の金歯のオッサンと、アルミケースを受け取って満足気な警視総監のオッサンの密会シーン。二人の笑い方がキモくてツボだ。




 結構有名な作品だけど、初見する内容はかなりエグいものである。




 ヤクザが警察上層部と繋がりが在るから、主人公であるゴロツキヤンキーが、ヤクザから逃げようとも警察の包囲網によって色々ばれて、ヤクザに情報が漏洩しボコボコにされちゃうんだよね~。



 これを観てたら、私も同じことが起こってるんじゃないか!?と白目を剥いた。

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