第6話
欲深い私に向けられる遠回しなセクハラ発言は少々ウザい。
・・・あ、
一番最初に連絡を返して来たのは、ジムのインストラクターをしているマッチョの真島くんだった。
『いけるけど、残業で夜中になるよ。(^^;)』
それでもいい?と連想出来る文面に落胆する。
私が期待してた返事は、今からでも大丈夫だよ。という言葉のみだ。
「伊丹さんホントに大丈夫?」
送別会も終盤を迎え、負の感情を一切漂わせない剛毛な専務が、退職する先輩に激励の言葉を贈る最中、私はと言えば深く溜息を吐いていた。
「ちょっと飲み過ぎちゃったかもです。」
「そっか....とりあえず二次会は自由参加だから、伊丹さんは帰って早く寝た方が良いかもね。」
「はい。そうします。」
端から二次会なんて参加する気は無かった。
真島くん以外の男は、連絡を返してくれないし、いったいどうなってんのよ。
普段なら私が連絡したら直ぐに、やろう!って瞬殺で返事くれる癖に。
お酒を飲んだ所為なのか、ムラムラしてきて、火照る身体は、媚薬を投与されたみたいだ。
無事に送別会が終わり、二次会へと流れる同僚たちを背に、ひとり帰路に着く。
繁華街のチカチカネオンに目が眩み、浮腫んだ足にヒールはきつくて、歩幅は小さくなる。
「ねぇ、お姉さん一人?」
「うるさいな。話し掛けないで。」
駅までの途中、ナンパしてくる輩が居て、顔を見ずとも不細工なのは分かる。
声フェチな私にとって、その男の声から滲み出る不快感に苛々が増す。
ほんと気持ち悪い、吐きそうなくらいに....
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