第5話

仕事は別に嫌いじゃ無い。特別劣悪な環境とかでは無く、どちらかと言えば、世間体的にもルーズ且つホワイトな職場だろう。




 なんて言えばいいのか....平和ボケしてる様な人たちが多いかも。




 適当に上司のご機嫌を取って、同僚とも適当に距離感を保ちつつ、のらりくらりと過ごす日々を送る。



 そんな私に刺激を与えてくれるのは、性行為だけだ。








 今夜は同僚の送別会がある。



 まあどんちゃん騒ぎの飲み会ってだけ。








「伊丹さん顔真っ赤だよ?」




 とある大衆居酒屋で執り行われた飲み会。隣に座る女性の先輩が不意に私の顔を覗いた。




 何を隠そう先輩の言う通り、私はお酒が特別強いという長所は持ち合わせてはいない。



 適量ってのが未だに掴めないけれど、とりあえず場の空気を読んで、適当に飲んで毎度顔を真っ赤にさせてしまう。そして酔った勢いで連絡を取るのはセフレくん達だ。





 誰かこの後相手してくれないかな?と、こっそりテーブルの下で指をスクロールさせる私はメッセージ文を打ち込む。





 それは手当たり次第に連絡を入れて、最初に返事が来た人の元へと向かう予定なのだ。








「ーーー....皆さん、本当にお世話になりました。専業主婦になりますが、遊びに行きますので....」





 今日、一つ歳上の先輩が寿退社する。




 周りは、結婚フィーバーだ。





 ・・・まあ私には関係ない。

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