第4話

「ちょっとケンちゃん聞いてよ!」




 


 衝撃的な童貞美男子と寝た日から一週間が経過した頃だった。




 数あるセフレの中の一人、ケンちゃんとの事後のこと、二人して裸姿のまま布団に潜って雑談を繰り広げていた。




 ケンちゃんとは、取引先の営業マンで、イケメンでチャラい男だ。



 後腐れの無いラフな関係性が、私たちの身体だけを繋ぎ溜めている。





「ん?どうしたの杏ちゃん。」



 真横で上半身だけを起こして、壁に寄り掛かる彼の手には、吸いかけの煙草が挟まれており、ゆらゆらと立ち上る白い煙が通気口へと吸い上げられていった。





「この間ね、ものすんごいイケメンとエッチしたんだけどね、その男がまさかの童貞だったの‼︎」




「へぇ〜。で、ご自慢のテクでいかせたってか?」



「なにそれ、まあ私も色んな男を食い漁って来たから、それなりに....じゃなくてさ!」





 現状、私のセフレはなんだかんだで複数人居て、ほぼ日替わりで自分の性欲を満たす生活を送っている。





 会社の人や、友達には絶対に言えないけど、エッチは止められない。




 なんで彼氏居ないの?って度々聞かれるけど、ぶっちゃけ別に要らなくない?





「そいつも、セフレにしたの?」



「いや〜、顔は好みだったけど、やっぱりリードしてくれる男が好きだから、一回ぽっきりだよ。」





 ははは。っと満面の笑みを浮かべれば、ケンちゃんも釣られて笑いだした。





 色んな男とローテーションで寝る行為を不潔とか思われるかもしれないけど、まあいいじゃんか。





 私は恋愛なんか不必要だと思っている。だってこうして連絡したらエッチしてくれる優しい男が居るんだから。

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