2.

第78話

12月半ば、街はすっかりクリスマスモード


最近テレビをつければ年末の歌番組が増えて、冬弥の姿を画面の向こうで見ることが多くなった


毎日とても忙しそうで、それでも合間を縫って連絡をくれていた


「友梨、クリスマスどうするの?」


『特に何もないけど?』


「あー…そうだよねぇ。クリスマスとか、忙しい時期だよねぇ」


『真希は?確か有給取ってたよね?』


「婚前旅行行こうと思ってて♪」


真希は幸せそうに笑っていた


『素敵。どこ行くの?』


「北海道」


『へぇ!いいねぇ。お土産よろしくー』


「でも友梨は1人なのかぁ…可哀想」


『哀れまないでくれる?別に毎年1人だったし』


「あは。確かに」


クリスマスの予定は何もなかった


冬弥から何も言ってこない限り、私から言うのはやめようと決めていた


少しでもいいから会いたいなんて言えば、無理をしてでも会いに来てくれる


そんな気がしていたから

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