第50話

マリーさんが帰って行くと、真希が真っ先に駆け寄ってきた


「大丈夫だった?」


『何が?全然良い人そうだったよ?企画のこと真剣に考えてくれてるみたいだったし』


私の言葉に、真希はポカンとしていた


『真希?』


「友梨ってさ…芸能人を惹きつける魅力があるのかもしれない」


『はぁ?』 


「だってそうでしょ?既に人気芸能人2人に気に入られてるわけでしょ?」


『気に入られてるわけじゃないよ。くだらないこと言ってないでお昼いこ』


「アーティスト…モデル…次は俳優?女優?」


真希はブツブツと呟きながら私の横を歩いた


「いいなぁ、友梨ばっかり」


『真希は素敵な婚約者がいるじゃないの』


「それはそれでしょ」


『贅沢な』


「でもさ、あの人にマリーさんのこと聞いてみたら?」


『え?』


真希の言う"あの人"が冬弥ということがすぐにわかった


「前にTVで共演してるの見たよ。どんな人か聞いてみたら?」


『ヤダよ。どんな人でも仕事なんだから関係ないの』


例えマリーさんがワガママでも意地悪でも

この企画を真剣に考えてくれているだけで、私は嬉しかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る