第48話

「あなたが…一ノ瀬さん?」


『え、はい…』


何でマリーさんが?

コラボ企画のことだとは思うけど、何でここに?

そして何で私の名前知ってるの?


「やっぱり。担当してくれるのは美人だって聞いてたから、すぐにわかったわ」


キメの細かいつやつやの肌

決して大きい訳ではないけど吸い込まれそうな瞳

赤目の口紅から覗く真っ白な歯

大人を漂わせるローズの香り

洗練された立ち振る舞い


これがモデル…


『す、すみません。今回は当社のコラボ企画にご参加いただけるとのことで、ありがとうございます。担当させていただきます、一ノ瀬友梨です』


あまりの凄さに圧倒されてしまっていた


冬弥のときもそうだったけど、同じ女性として冬弥より緊張する


「ごめんなさいね?何だかイメージが湧いちゃって、忘れないうちに書き留めておいてもらおうと思って」


私の名刺を受け取ると、マリーさんはニコリと笑った


『いえ、とんでもないです。わざわざありがとうございます。では、早速こちらで…』


私はスケッチブックとペン一式を持って会議室に移動した

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