第47話

会議室をでると、真希は深くため息をついた


『どうしたの?』


さっきまで芸能人に会えるとキラキラしてたのが、一気に淀んでいく


「だってさぁ、マリーってすっごい性格悪いらしいよ?」 


『え?』


「最近売れてるじゃん?だからワガママ言いたい放題らしい」


『らしい…って』


「ネットに書いてあった」


『真希。ネットの情報に流されないの。それにもしそれが本当のことだとしても、仕事なんだからね』


「はいはーい。わかってますよ」


そう

これは仕事

性格が悪かろうが、ワガママであろうがやらなければいけない


「まず何から始める?」


『まず顔合わせから始めよ。それからだね』


デスクに戻りながら腕時計を確認する


『もうすぐ休憩だし、午後顔合わせしよ』


「あー、やっとお昼。今日は何食べよっかなぁ♪」


真希とランチの話で盛り上がりながら戻ると、何だか社内が騒がしくなっていた


「何だろ?」


『さぁ…』


軽い悲鳴や、歓声などが耳に入ってくる


ざわついた社員達が視線を向ける方向を見ると、スラリとした長身の女性の後ろ姿が目に入った


「あ、あれって…」


『マリー…さん?』


キョロキョロと見渡した女性は、マリーさんだった


突然のモデルの出現に、社内はざわついていたのだ


「え?なんで?」


『?』


マリーさんと目が合うと、一直線に私の元に歩み寄ってきた


その歩き方はモデルそのもので、圧倒される

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