第36話

「すごぉぉい!素敵!」


次の日、真希とランチしながらデザインを渡すと、目を輝かせて大声をあげた


『ちょ、真希、静かに』


「ごめんごめん。だって凄いよ!素敵すぎる!」


『ほんとに?よかった』


「えー、楽しみすぎる!」


『この辺とかシンプルすぎる?」


「全然!あたしからの意見なんか何もないよ!」


『気に入ってくれたならよかった。真希がこれを着てくれるの楽しみにしてる』


「ありがとう友梨。友梨のときはあたしが描いてあげる」


『え?な、何言ってんの。そんな豪華な結婚式出来るかもわかんないじゃない』


ニヤリと笑った真希の目から視線を反らした


「出来るでしょ?それはそれは豪華な結婚式が」


『さ、さぁ?』


「隠すな!」


誤魔化す私に指を突き立てる


「付き合えたの?」


『…な、なんのこと』


「あ、ひどい!そりゃあ言えないのはわかるけど、親友でしょ?誰にも言わないわよ!あんたの幸せはあたしが1番願ってるんだから」


確かに

前の失恋を慰めてくれたのは真希だ

誰よりも私が前に進むことを願っていた


「よかったね。友梨」


『真希…ありがとう』


「羨ましいなぁ。結婚式絶対呼んでよね!」


『結婚なんてしないって』


「わかんないでしょ!でも、中々できるもんじゃないと思うけど、頑張ってよ。いつでも相談に乗るし、誰にも言わないって誓うからさ」


少し心強かった


黙ってなきゃと思ったけど、真希には隠し切れない


きっと1番私のことを理解してくれているから

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