♡5

第42話

翌日。



爽やかな朝の香り。小鳥のさえずり。

緩やかに覚醒していく意識。

ゆっくり瞼を開ける。


(あ〜昨日あのまま寝ちゃったんだ…、ってか、あたしベッドで寝たっけ?確か、天真とテーブルで向かい合ってなかった??)


え、誰がベッドまで運んでくれたの?



そこまで考えていたら、後ろからギュッと誰かに抱き締められていた。


(だ、だれっ?)


振り返ってみると、あたしを抱き締めていたのは、

天真だった。


「え、天真っ?どうしてここにいるの?」


天真は寝起きにも関わらず、綺麗な顔に緩やかに笑みを浮かべながら、


「昨日、天音があの後寝ちゃったんだよ。座って寝るとか疲れ取れないだろ?だからベッドまで運んだ。安心しろよ。抱き上げる時以外、指一本触れてねぇよ。」


「でも、今…」


「寝てる時は無意識だろ?仕方ねぇじゃん」 

「それより、まだ5時半だぜ。もうちょい寝ようぜ?」


そう言いながら向き合う形でギュッと抱き締められる。


「あ、ちょっと…!」


こんな引っ付いてたら寝れないよっ!


「いいから、寝ろって、ちゃんと後で起こしてやる」


だから、天真の綺麗な顔が近いよっ!

心臓が過労死しちゃうっ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る