第41話
暫く天音の寝顔をじっとり、俺の脳内に焼き付けるように眺めていた。
(俺だけの可愛い可愛い眠り姫)
二人だけの静かで幸せな空間に鳴り響く、バイブレーション音。
(誰だよ)
ローテーブルの上に置いてあった天音のスマホ。
それに表示される名前は、
❝明良❞
の文字。
(明良…?あぁ、あの邪魔者か。天音に電話してくんじゃねーよ)
勝手に人の電話に出るなんて真似はしねーが、正直、それをぶっ壊したい。そんな俺の気も知らないだろう相手からの、未だしつこく鳴り続けるそれを、睨み続ける俺。
(しつけーやつだな。出る訳ねぇだろ、さっさと諦めろよ)
あまりにも煩いから、憎きスマホを取るため、天音から離れそっと電源を落とした。
(俺たちの世界に邪魔者はお呼びじゃねーんだよ)
そうして、再び天音の横に並び、天音の香りが漂う中、腕の中に天音を閉じ込めながら静かに瞳を閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます