第34話

ドアの前にいたのは、天真だった。



「天真…?どうしたの?」



天真は汗だくで、息が乱れていた。そしてその左手にはコンビニの袋。



泣きそうな顔でガシッとあたしの両肩を掴みながら、


「っ、天音大丈夫か?今日大学にいねぇし、教授に聞いたら欠席って言われるし、何かあったのか?

しんどいなら病院行くぞ!」



「大丈夫だよ、偏頭痛だったんだけどもう落ち着いたから明日からは大学も行くよ」



「っ、そうか、薬は飲んだのか?」



「大丈夫だって、それより天真凄い汗…」



「…悪い、臭うか?」



「うんん、大丈夫。心配して来てくれたの?せっかく来てくれたんだし、飲み物くらいしかないけど上がって?」



「さんきゅ。あ、これ、何がいいとか俺わかんねぇから適当に買ってきた。要らなかったら無理しなくていいから」



そう言って袋を手渡してくる。

中身はスポドリ、ゼリー、おにぎり、サンドウィッチ、サラダ、菓子パン、冷えピタに何で焼きそば?しかも大盛り。


「ふふ、ありがとう。凄い量だね?」


そう言うあたしを見て天真は気恥ずかしそうに頬を指でかいた。

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