第35話

リビングのドアを開けて、



「掃除してないけど、どうぞ」



っと、彼を部屋に入れた。


部屋を見た天真は、一言、


「…誰か来てたのか?」



(あ、美香たちの飲んだお茶、そのままだった)


「あ、うん。美香と明良くんが心配して様子見に来てくれたの。今帰ってとこだったんだよ」


「…明良くん…?」


「美香の幼馴染だよ。覚えてるでしょ?」


「あいつをこの部屋に入れたのか」


「え?入れたよ。友達だし、心配してわざわざ来てくれたんだから」


「…俺以外の男を部屋に入れんじゃねぇよ」


「何言ってんの?美香の幼馴染だよ?」


「関係ねぇ。二度と入れるな」


「なんで?天真に関係なくない?」


そう言って天真を見上げると、強気な発言に反して、瞳はうるうるして口をつぐんでいる。


(なんなのよ…)

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