第33話

「じゃ、帰るか!天音の様子見に来ただけだしね」



鞄を肩に掛けながら立ち上がる美香。

それにならうように、


「うん、天音ちゃんお大事にね?何か必要なものとか用事があったらいつでも連絡してね?」


と、明良くんも立ち上がりながらそう伝えてくれた。


「ありがとう、ふたりとも」


そうして、ふたりは帰っていった。





二人が居なくなった静かな部屋。

窓の外は夕焼け空から真っ暗なそれにゆっくりと変化していっている。



(動いてたからか熱くなってきちゃった、シャワーでも浴びようかな?明日も大学だし、さっさとシャワーして寝てしまおう!)



そう思い、カーディガンを脱いでお風呂場に行こうとした瞬間、また部屋に響くインターホン。


(美香たちかな?忘れ物?)


特にモニターを確認する事もなく、ドアを開けた。


「はーい、何か忘れ物?」



するとドアの前に居たのは…、


「…えっ、」

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