第17話

「天真、離して」



冷たい声で伝えた。



「嫌だ。絶対に離さない」



「っ、天真!」



左の人差し指をあたしの口元へ当てながら、静かに微笑む天真。



「こんな夜に騒いだら近所迷惑じゃない?大丈夫なの?」



もちろん近所迷惑に決まってる。なんなら、隣の部屋は独り暮らしの男子高校生。大学受験を控えているので絶対に騒音なんて迷惑かけられない。



天馬のいきなりの登場に驚いて、忘れていたた違和感が一つ、なぜ天馬はあたしの部屋がわかったの?


一度も出かけた事なんか無かったのに、なぜここの場所がわかったの?部屋番号まで。

天真が知るはずもない情報だ。



「天真、どうしてこの場所がわかったの?」

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