遊雷

りんから口付けされた……。

どうしよう、自分が何で怒ってたのか分からなくなっちゃった。


唇を離し、涙目で僕を見上げるりんは真っ赤で可愛くてたまらない。


「誰がどこへ連れて行こうが私は遊雷の贄よ?私はずっと遊雷の物なの。」


ギュッと僕に抱きついて可愛い事を言う。



「初めて僕の物だって言ったね。」


気分悪かったけどもうどうでもいいや、りんが可愛いから。


「きゃっ/////」


抱き上げるとりんは顔をもっと真っ赤にした。


「今日は二人で美味しいもの食べよっか。」


りんの好きなものも知りたいしね。


「え?う…うん!」

「帰ろうねー。」


りんは僕の変わりように戸惑いながら返事をした。


一歩踏み出すと…


「え…?あれ??」


そこはもう僕の部屋。

に見せかけた僕の空間。


僕は雷牙と違って隠された事もりんには悟らせない。


りんはまんまと騙されて少し安心したように表情を柔らかくした。


次は僕がりんを神隠しする番だ。


りんを抱いたまま座り小さな背中をぎゅっと抱きしめた。

可愛い…今僕しか知らないとこにいるんだ。

誰もりんを見つけられない、嬉しいなぁ。


「〜♪」


何年ここにいようかな?

何十年でもいいな。

鼻歌を歌っている僕を不思議に思ったのか、りんが少しだけ振り返った。


可愛いから口付けしよー。


「ん。」

「ンッ/////」


可愛いなぁ…体がぴくってなった。

りんの唇を舌でなぞるとほんの少しだけ唇が開く。

舌を捩じ込んで無理矢理開けるのもいいけど、できるだけ自分で口を開いてほしい。


僕を求めているみたいで嬉しいから。

だけど中々大胆にはなってくれない。


「りん、お口あーんだよ?」


唇と唇が触れ合うか触れ合わないかの所で話すとりんは僕の着物を掴んでいる手にさらに力を入れた。


りんが緊張してるのがわかる。


変なの、昨日は互いに裸になってあんなにも淫らなことをしたのにね。


りんが素直に口を開いてくれた。

戸惑いなが、焦らすようにゆっくりと。


小さな口の中に舌を這わせれば、りんの体が敏感に反応してくれた。

困るなぁ、こんな反応。


今すぐに犯したくなる。

今日はまだ体がつらいだろうから何もできない。

押し倒すくらいならいいかな?


いや、押し倒したら最後までしてしまう。

自分から口付けしておいてあれだけどこの状況を変えないと。


僕はりんから唇をを離して問いかけた。


「飴玉は好き?」


「え/////あ…飴玉?」


突然の質問にりんも驚いていた。


「うん…小さい頃に一度だけ食べた事があるけどすごく好きだった。」


「じゃあこんなのは好き?」


僕がりんの背後から手を回し、その手の中に飴の包を出す。


「ほら、開けてみて。」


どんな反応するかな。


りんが包みを開いた瞬間…


「わぁ////綺麗/////」


すごくいい反応をした。

さっき僕の部屋で見せたのとはまた違う飴玉。

これは花の絵が書いてあるやつ。


「すごい!お花が書いてある!

こんな小さい飴にどうやって…?

こんなの初めて見た////」


嬉しそうにはしゃぐ姿がもちろん可愛い。


「食べていいよ。」


僕が飴玉を勧めてもりんは迷っているように見えた。


「でも…食べるのが勿体無いよ。」

「またいつでも持って帰って来てあげるよ。」


僕がそう言うとりんは嬉しそうに少しだけ笑った。


「じゃあ…お言葉に甘えて一つだけ。」


一つ?


「全部りんのだよ。

僕、甘いものはあまり食べないんだ。」


そう言ってもりんは遠慮しているように見えた。


だから僕は飴玉を一つ取りりんの唇に軽く付ける。


「ほら、食べて?」


きっと気に入ってくれる。

りんが小さな口を開けてパクッと飴玉に食らいつく。

手に当たった歯の感覚すら愛しかった。


「んん////////」


りんは美味しそうな声を上げた。

この体勢だとりんの可愛い顔が見れないなぁ。

一度りんを抱きしめるのをやめて向き合わせるように座らせた。


「美味しい/////

遊雷、ありがとう///

本当にすごく美味しい!」


こんなに嬉しそうに笑ってるの初めて見た。

可愛い、もっと見たい。

毎日あの飴玉買って来ようかな?


「そっか、よかった。

まだまだいろいろあるから全部食べようね。」


そんな顔が見れると分かればりんに何でもあげる。

生まれて初めて、誰かに何かしてあげたいなんて思った。


この感情の名前は知らないけど、不快なものでない。

むしろ、ずっとこの甘い雰囲気に酔っていたかった。


しばらくいろいろ食べさせて、お腹いっぱいになったりんが眠ってしまう。

僕の中で眠るなんて可愛すぎる。


早く抱きたい。

僕の体の使えるとこを全て使って乱したい。

強烈なまでに思い出されるりんとの戯れ。


少し狭くて固くて不慣れだったけど、それでも堪らなくよかった。


あの中を僕の形に変えていくのが楽しみで仕方ない。


りんが僕に馴染んで絡みついて僕を求めてくれたら、僕は今以上にりんを可愛がるだろう。


あぁ……早く…早く抱きたい。


いっそ神力で治す?

けど、僕の放った物がりんの中にある以上あまり神力を捧げない。


りんの体が耐えられなくなってしまうから。


実際、僕に抱かれたことで今日は少し熱を出してしまった。

これから先、ちゃんと気をつけておかないと自分の欲でりんを殺しかねない。


りんが死ぬのは嫌だ。

ちゃんと守ってあげないとね。

僕自身から。

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