りん
雷牙様に問いかけられた。
遊雷に怒られるけど無視するわけにもいかない。
「あ…あの…別に、いいと思います。
嫉妬深いかどうかはよく知りませんけど、落神って怖そうだし、遊雷が怖がっても仕方ありません!
遊雷は腰抜けです!」
あ!間違えた!!
腰抜けでもいいんですって言いたかったのに!!
雷牙様はいきなり俯いて肩を小刻みに震わせている。
え?どうしたんだろう?
まさか何か喉に詰まったんじゃ…
「雷牙、今から行こうよ。」
「え?」
「フッ…!っ……くく……。」
あれ?雷牙様笑ってない??
「今すぐに行こう?
別に落神なんて怖くない。
ただ面倒だから行きたくなかったんだよ。
ね、早く行こう?」
どどどどうしよう!!!
私が言葉を間違えてしまったばっかりに遊雷が意地になってしまった。
「遊雷、違うの!
遊雷は腰抜けでもいいって言おうとしたの!
だから無理しないで?
怖いものがあるのは恥ずかしい事じゃないんだよ?」
私の言葉に雷牙様が大笑いした。
いつも眉間に皺が寄っている雷牙様だけど、あぁやって笑うと本当に遊雷そっくりだ。
「りん、僕に怖いものなんてないよ。
僕は神様なんだから。
僕は落神なんて怖くないし、腰抜けなんかじゃないよ。」
そんなに意地になることかな?
神様にとっての恐怖ってそんなに恥じるもの?
「落ち着いてくれ兄様。
明日からでいいとのことだからわざわざ今日行く事はないだろう。」
雷牙様が困っているのは明白だった。
「いや、今夜行くよ。」
遊雷も折れそうにない。
私が何か言って変わるとは思えないけど、少しでも雷牙様の助けになるなら言ってみようかな?
「遊雷…夜に一人にされるのは怖いよ。
雷牙様も明日からでいいって言ってるし…。」
差し出がましいと怒られませんように。
「その…私は、遊雷と少しでも一緒にいられたら嬉しいなぁ…って/////」
雷牙様に助け舟を出すつもりが私の本音をぶちまけただけだった。
どうしよう…、二人とも黙ってるから変に思われてるはず。
言うんじゃなかった…/////
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