第51話

かっ、可愛い……!


な、なんでだろう……、なんでそう見えるのだろう…。




「……ハッ!」



い、いや!ダメだ小宵!流されてはいけないっ…!



あたしは今、何かを試されているのだ…、でなければ、こんな状況なるわけがない……!




「だっ、ダメです!」



「……わかった」



すんなりと頷いたアカネくんにホッとしつつ、瞼を下ろせば、





「じゃあ、服着たままでいいよ」




とんでもない言葉が聞こえて、あたしは再び目を見開く。




「え…えっ?ちょっ、アカネくん!?ご、ご冗談を…!?」



「トップはじっとしててね、俺、優しくするから」



「!?!!??」



何がですか!?どういうことですか!!?


アカネくんの言葉に、とてつもなく嫌な予感がして、





「まっ、待ってくださっ……」



大きな声を上げようとした時、










ゴスゥ…ッ!!








辺りに大きく響く、鈍い音。


それに続いて、そこら中の空気を震わせるような、


圧のある低音が降ってきた。




「何やってんだ、このエロガキ」



やけに頼もしく、芯のある、淀みない低音が。



思わず数回、瞬きをして、ドサッと上に力尽きて倒れ込んできたアカネくんを手で支える。

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