第11話
「なんで水波はそんな冷たいの!!そんなこと言ってると一生独り身だからね!?いいのね?!…あーあ、知~らない。ひとりぼっちでおじいちゃんになっても、俺は絶対に遊んであげないからね?!」
「頼んでないし、話飛躍しすぎ。あと本当に黙って」
「水波のアホ~いけず~ろりこん~」
「うるっさい!」
片柳のあまりのうるささに、柄にもなく声が大きくなった時、
「なんだ、お前もそんな大声出すんだな」
不意に横を見れば、濡れた頭を拭きながら冬馬さんがケラケラ笑っていた。
思わず握っていた拳に力が入り、顔を逸らす。
「……早くないですか」
「シャワー浴びただけだ、急いでるつったろ」
今のくだらないやりとりを見られていたのかと思うと…若干嫌になったので、俺は片柳を軽く睨んでから、また溜息を吐いた。
「……今からどこへ行くんですか?」
部屋に入ってきてすぐ、置いていた携帯をいじっている冬馬さんに投げかける。
一緒に行くなら、場所くらい知っておきたい。
冬馬さんは「んー…」と、しばらくして携帯の画面から顔を上げると、
「敵の陣地」
何気ない顔でそう答えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます