World23 ショッピングってマジっすか!?
「買い物に行きたい」
ミコが晩ごはんを食べ終わって、突然言い出した。
「行きましょう!」
「そうだね、でも私はロジェだけじゃ心もとないや。今回、買うもの多いんだよね」
錬金術師には素材が必要だ。色々買うんだろう。
まあ、ゲームの知識だけど。
「誰か荷物持ちに来てくれないかなぁ?」
こっちをチラチラと見ているが、何が言いたいんだ。
まさか、俺たちについてきてくれって?
「みんなで買い物したほうが楽しいしぃ」
「まさか、このガキたちも一緒に買い物するんですか!?」
「そうだよ。どう?」
「私は行きたい!」
「興味はある」
「おいガキ!師匠がついてきてほしいって言うんだから、来ないわけないよな?」
そりゃ、興味はある。行きたい。でもその圧のかけ方をされるのは嫌だ。
「ロジェ?それが人にものを頼む態度?」
いやミコも大概だけどね?来てほしいならはっきり言ってくれ。
そして俺達は、ルウォーリの街に繰り出した。
「ここが魔鉱石の店だよ」
重そうな扉を開き、ミコは叫んだ。
「オーヴェン、いるかい?」
物々しい雰囲気の店の奥から、初老のメガネの男性がやってきた。
「ミコさんですか。こんにちは」
「いつものちょうだい」
「しっかりご用意してありますよ。少々お待ち下さい」
再び奥に戻ると、ミコが言った。
「オーヴェンは私の面倒を見てくれた人なんだ」
「いい人そうだもんね」
「ああ、いい人だよ」
そう話していると、オーヴェンが奥から戻ってきた。
紫色の鉱石が入った小さな箱だ。
「これですね」
「うん。代金はこの袋に」
ミコは硬貨の入った袋を差し出し、机に置いた。
「次はいつ頃になりそうですか?」
「ひと月はかからないよ。今、結構これ使うから」
「分かりました、御用意します」
オーヴェンが頭を下げた。そして、顔を上げると尋ねた。
「そちらの可愛らしい少年は拾ったんですか?」
「ううん、彼は立派な冒険者だよ。ソウタくんっていうんだ」
「ほう」
「ランクはE。すごいでしょう?」
「なるほど。面白そうな子ですね」
何が面白いのかは分からないが、俺は気に入られたのかもしれない。
店を出て、俺達は買い食いをしながら歩いていた。
「オーヴェンから指名依頼が来るかもね」
「指名依頼?」
「依頼主がギルドに、依頼を受けてほしい冒険者の名前を伝えると成立する。その冒険者がパーティに所属しているとそのパーティが依頼を受けることになるよ」
なるほど。つまり俺に指名が来たらメイナとミラも一緒に依頼をこなすのか。
それなら安心だ。
「そういえばソウタくん、武器は持たないの?」
「ああ……」
でも俺一応魔法使いだしなあ……いる?
「ミラちゃんも短剣の一本くらい持ってるでしょ?」
ミラが頷く。どうやら魔法使いにも武器は必要らしい。
「いい店があるんだ、今から行こうよ」
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