World20 少女の年齢が✕✕ってマジっすか!?

「ここが私の家だよ、ゆっくりしていってね」

「ありがとう。あの……」

「私の名前はミコ。よろしくね!」


満面の笑みを見せたミコは、奥へと入っていった。


「広ーい!」

「ミコはお金持ちかもしれない」


俺もそう思う。こんな家に住めるんだ、お金持ちなのは間違いない。だけど、こんな家に一人置いていくなんて、一緒に住んでいる……保護者?は、一体何を考えているのだろう。


「あ、今からごはんの準備するから、誰か手伝ってくれない?」

「俺手伝うよ!」

「私も」

「うん!手伝う!」


4人で晩ごはんの準備をして、一緒に食べた。


「三人の名前は?そういや聞いてなかった」

「私はメイナ!」

「ミラ。魔法使い」

「俺はソウタ」

「ソウタくん小さいね。いくつ?」


ミコには言われたくないんだけど。ミコこそ俺より小さく見えるぞ。


「14だけど……」

「うっそお!?ヤバ……」


だからミコには言われたくないって!


「ミコこそいくつ?」

「私?24」

「「24!?」」


3人の声が揃ってしまった。そりゃそうだ、こんな24いてたまるか。


「本当だよ。昔変な薬飲んじゃったから、そのせいかもしれない。8歳のときに成長が止まったんだ」

「ええ……」

「そんな顔しないでよ。私はこの体で便利だと思うこと多いよ?」

「というと?」

「食堂でお子様ランチを堂々と頼める!」


……それ、いいことなんだろうか。俺にとっては少なくともメリットじゃない。


「私は舌の成長も止まったのか、甘いものや子供っぽいものが好きなんだよね」

「どうしよう、ミコさんって呼ばなきゃ……」

「いいよいいよ。気にしないで。これからもミコで頼むよ」

「分かった。ミコ」


ミラがそう言うと、ミコは満足そうな笑みを浮かべていた。




その夜、俺は一人で眠っていた。


「入っていいかい、ソウタくん?」

「あ、はい……」


ミコの声だった。24なら実年齢の俺よりは年下だけど、どうしてもかしこまってしまう。


「急にごめんね。聞きたいことがあってさ」

「なんでしょう?」

「ソウタくんってもしかして……神の子?」

「違いますよ!?」

「へえ。でも魔力量相当高いでしょ?」

「測定不能ですね」


ニヤリ、と笑ったミコ。意図は分からない。


「家にある魔道具が何個か誤作動を起こしたからさ。多分ソウタくんのせいだね」

「……す、すみません」

「いいよ。その程度で壊れるくらい脆かったってことだから」


ミコはそう言って、扉を閉めようとする。


「それだけ確かめたかっただけ。ありがとう、おやすみ」

「おやすみなさい」

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