World18 アルバリアを発つってマジっすか!?

そして数日後。俺たちはルウォーリ行きの馬車を予約することに成功した。

ここアルバリアからシルディア王都までは遠いので、いくつかの都市で乗り換えをしなければならない。

その都市の一つが商業都市ルウォーリらしい。


「ソウタ、乗るよ!」


俺たちは馬車の運転手からルウォーリまでの護衛を依頼され、乗車料金を節約した。


「行くのか、ソウタ」

「……カリムさん?」


教会のオッサン、カリム。そういえば一回も行ってないな、教会。


「他の街でも教会にスカウトされると思うが、まあ、上手くやれや」

「……分かりました」


よく考えりゃその問題もあったな。他の教会の人間はきっとカリムのように甘くはない。逃げる策も考えなきゃな……。


「じゃあ、達者でな」


俺は頷くと、馬車に乗り込んだ。




「今日の晩までには着くって!」

「じゃあごはんは、向こうで食べることになるかもね」


ごはんか……アルバリアのごはんもおいしかったけど、ルウォーリは商業都市だからごはんももっとおいしいかもしれない。

アルバリアにはなかった魚もあったりして。


そんな妄想をしていたときだった。


「前方にイノシシの魔物!」


魔物だって?俺達の出番じゃないか。


「メイナ、ミラ!」

「準備はできてる!」


僕達は武器や杖を持って、馬車を降りた。


イノシシの魔物が4体。メイナが飛び出す前に、俺は唱える。


「【氷弾フロスティ・バレット】!」


小さな氷礫こおりつぶてを出す魔法らしいが、俺の魔力ではかなり大きな氷ができる。弾丸って次元じゃねえ。


「グアア……」


イノシシは倒れ込み、その場で苦しんでいる。


「今。メイナ!」

「やあっ!!」


メイナがとどめを刺し、4体のイノシシを討伐した。


「ありがとうございます……」


運転手が出てきて、俺達に頭を下げる。


「いえ、仕事ですから!」

「このイノシシの死体、どうする?」

「売り物になりますので、このまま積みます。手伝っていただけるでしょうか?」

「はい!」


イノシシを積んで、俺達は更に進む。すると街が一つ、見えてきた。


「あれがルウォーリ?」

「そうですよ。もうすぐですからね」


俺達は草原を抜け、ルウォーリにやってきた!

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