World10 俺(と息子)が早起きってマジっすか!?

 おはよう諸君。この世界の創造神ニーナこと仁科創太です。


 息子の方が早起きでした。

 お前マジで起きなくていいんだよ、メイナにバレたらどうしてくれんだ。


 若返ったことにより生理現象も戻ってきて、まあ下半身も元気元気。

 でも今はちょっとまずいかなぁ!!二人にバレたら社会的に死ねるなぁ!!


 クッソ、メイナに拘束されて動けないし!鎮まれマイサン!出番は来てないんだよ!


 お前の出番は当分来ねえんだよー!!




 はい、落ち着きました。俺の心も息子も。

 幸いメイナもミラも起きなかったので、俺の愚息に起きたアクシデントは知られずに済んだ。


 しかし。しかしだな。


 メイナ痛い。超痛い。あといびきうるさい。

 ミラはベッドから落ちてるし。お前らいつもそんな生活してるの?大変そう……。


 そして時間よ。多分もうお日様が南にある時間だよ。

 この世界ではどうなのか知らんけど。


「……メイナ」

「んー?」

「そろそろ起きたほうがいいんじゃない?」

「あとごふん……」


 そのセリフ、現実で聞けると思わなかったなぁ……。


「ミラ、そろそろ起きない?」

「むにゃあ、ソウタがでっかくなっちゃった……」


 何々?どんな夢見てるの?

 その夢ちょっと俺にも見せてくんない?


「……はぁ」


 異世界人が遅起きなのか、この二人が単にだらしないのか……。

 分かんねえ。俺ももう一眠りしようかな……。




「カード取りにいかないとね」


 やっと起きたメイナとミラと、ギルドにカードを取りに行くことになった。


「……いつも二人、あの時間に起きてるの?」

「依頼を受けてない時はそうかな」

「冒険者は大体そんなもん」


 なるほど。冒険者ってフリーだもんな。

 毎日朝早くに起きて定時出勤する会社員とはわけが違う。


「ソウタもこんな生活ができるようになるよ!」

「ランクが上がったらだけどね」


 ランクか。そんな制度もあるんだ。

 本当にラノベで見たファンタジー世界の話みたいだ。


「ソウタはGランク。私たちはDランク。頑張って追いついてね!」


 一番下か、そりゃそうだよな。

 頑張ろう。薬草採取でも、迷子の子猫探しでも、なんでもやるぞ。




「はい、これがギルドカードです」


 手渡された金属製のカードには、名前、ランク、実績欄が書かれていた。

 もちろん実績は空白だ。


「よかったね、ソウタ!」

「これで依頼が受けられるようになります。あちらの掲示板からどうぞ」


 掲示板に貼り出された様々な紙。その中には、薬草採取も子猫探しもなかった。


「ここって割と冒険者の平均ランクが高いから、あんまり簡単な依頼ないよね」

「とりあえず私たちの依頼についてきてもらう?」

「うん、そうしよう!」


 魔物の討伐依頼の紙を取ったメイナは、意気揚々と手続きをしに行った。

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