World4 俺の魔法が最強ってマジっすか!?


「……え?」

「男の子……?」


 そうか、今の俺の姿は14歳。男の子と呼んでもギリ許される年齢だ。


「……大丈夫!?」


 背の高い方の女の子が俺に飛びつき、頭を撫でる。

 俺を不審に思わないのか。焼け野原の中心にいる人間だぞ?


「俺は大丈夫……」

「良かったぁ」

「待ってメイナ。その子、おかしくない?」


 ……小さい方は賢いみたいだ。俺に対して、杖を向けている。


「こんな子に何ができるっていうの?」


 ……こっちはこっちで失礼な。この魔法を使ったのは俺なのに。


「私はその歳で銀級魔法を使えた。この子だってそうかもしれない」


 銀級魔法が何かは分からないけど、小さい方はどうやら魔法の才があるらしい。

 大きい方……メイナと呼ばれていた彼女は、俺を見て言った。


「そうなの?」

「……まあ、俺がやったよ」


 人に見られていたなら、もう逃げるのは諦めたほうがよさそうだ。警察的なところに引き渡されたら、なんとかして逃げよう。


「ねえ、どんな魔法を使ったの?」

支配の紅炎プロミネンス・ドミナントっていう、魔法」

「……原初魔法!?」

「俺はそれしか使えないよ?」

「それしか使えないって……何?」


 小さい方がかなり驚いている。原初魔法っていうくらいだから、基礎的な魔法だろ?それでこんな威力が出たから驚いているんじゃないのか?


炎の渦ファイア・トルネードは使える?」

「……何それ?」

給水アクアポンプは?」

「知らない……」


「ミラ、どういうこと?この子は何者なの?」


 メイナが尋ねた。小さい方の名前はミラというらしい。


「……この子、最上級魔法しか知らないし、使えないのかも」

「えっ!?最上級魔法って、ミラも使えない!?」

「うん。彼、有名な魔法も知らないって言った。とぼけてるんじゃないなら、この子はそういうこと」

「……どういうこと?」


 俺も聞きたい。どういう結論を出されるんだ?


「この子は……神の子なのかもしれない」


 仁科創太、神として異世界に来て約2時間。早速正体がバレそうです。

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