幼稚園
これは夢だなと気がついた。
だって目の前に立っているのは、亡くなったはずの祖父だったから。
祖父は何も言わず、膝の上に乗せた私の頭をただただ撫でてくれる。
何だかよくわからないけど、私は嬉しくてニコニコ顔でずっと撫でられている。
しばらくすると知らない人が迎えに来る。
知らない人なのに、私はその人について行かなければならないとわかる。
立ちあがろうとすると、祖父は私を引き止める。
人差し指を口元にあて、静かにするようにと仕草をする。
私は両手で口を塞ぐ。今気づいたが、なぜか5歳くらいにまで小さくなっている。
そんな私を見て、祖父は最後にもう一度だけしっかりと頭を撫でてくれる。
そういえば、祖父が生きていた頃はよく撫でてほしいとせがんでいたっけ。覚えていてくれたのかな。
祖父は私の顔を覗き込んで笑いかけると、迎えにきた知らない人と一緒にどこかへ消えていった。
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