第15話 シャボン玉の日々 その十三

 毎度ありがとうございます。閑古 路倫で御座います。言い訳から、始めさせて頂きます。

 今回は、一寸ちょっと良い気になって書きすぎました。こういった表現がお嫌いな方もいるかも知れませんので、お気に召しません場合は、どうか、飛ばし読みして、見放さないで下さい。

 作者からの、お願いでした。

 どうぞ、本編を皆様なりにお楽しみ下さい。

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 翌日、朝9時のバスに私は乗って、ミー君を迎えに行く気分で、いつもの様に最後部のベンチシートから二つ手前、二人用の窓側席に座った。私の育った、小さな町、狭い通りを抜け 一瞬の間に、海が青い!

 二つのカーブを抜け、海に突き出す様なバス停に、ミー君の姿が小さく見え、横に振られる様に一瞬消えた.....そして、戻った、徐々に大きくなって行く.....ミー君の姿。バスが止まり、ドアが開いた。ミー君は、ゆっくりステップを上がって、私を見る、嬉しそうに薄く笑った。

 「おはよう!」

 私は、声を出さずに、口だけ動かす。ミー君は、一寸ちょっと停止してから、笑いながら、声に出さずに言う。

 「おはよう!今日も、綺麗だ」そして、歩いてくる、私の元に。

 「隣り、座って良いかな」声に出した。

 「良いよ」口の動きだけで、伝えた。

 「まだ、続ける?声、聞きたいなぁ」

 「しょうがないな、甘えん坊さん」

 「ミー君、焼けたね....真っ黒」

 「締まって、カッコ良くなった?」

 「ミー君、背伸びた?」

 「どう、かな?自分じゃ分からん」「でも、そうなら良いな、嬉しいな」

 「そうなら!いいね!嬉しいね!」

 「馬鹿にしてる?」

 「少し」

 声を出さずに言う。

 「ガッコさん、焼けちゃって分かり難いかもだけど、俺、顔、真っ赤」「意識しちゃう!」ミー君も、声を落として。

 「

 「勝手に、意識してろー!」

 私は、真っ赤になりながら抗議した。

 ミー君のくせに、ミー君のくせに.........

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 時間通りに、バスは来る!ガッコを俺の元へと、連れてくる。二つ手前のカーブに、バスの先頭が見え始めると、俺の嬉しいが溢れ出す。俺の頭の中で、アニメの俺の体から、きれいな清水の様な嬉しいが溢れ出してしまい。しおしおと、萎びてしまった、アニメの俺!今日も、暑くなるぞ!に、しても海風が心地良く、俺の汗ごと溢れ出した嬉しいを運んでいってしまう。バスが到達した、ガッコを連れて来た。ドアが開く、プシューと音がして、ドア開閉用の生暖かい圧空が、顔に吹きつけた。目の前の極狭なステップを、しっかり踏んで目線を上げると、ガッコが目に飛び込んでくる。

 一瞬で、俺の頭の中のアニメの俺は膨れ上がり、全身から嬉しいを噴水みたいに噴き出す。俺は思わず、うぅすら笑んでしまう!

 うわっ!キモ?ひさびさガッコは心臓にくる、ドキドキが止まらない!

 ガッコの、くちびるが!

 「」と動く。

 俺は、嬉しいが隠せない!

 「おはよう!今日も綺麗だ」と、口だけ動かし、ガッコを真似る。近づいて、改めてガッコを見る。木綿の鹿子柄ワンピースにストローハット、ポニーテールは反則だ!

お菓子の詰め合わせみたいに、大好きが溢れてる!

 隣りに座って良いか、尋ねると。

 また、声を出さない、くちびるの動きで読め、ということか、でも、リップでツヤツヤのガッコの意識するだろう!耐えれそうにないので、いつまで続けるのって、止めた。お約束の、身長、いじりの最中に、また、サイレント、入れてきたので、正直に言ったら。

 「勝手に、意識してろー!」

 ごめんね!でもね、魅力的な君も悪い!

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 俺の、通学駅前に到着し、俺は駅前サークル内にある、バス会社のツアーの窓口で、仮押さえしていたツアーの料金を支払った。そうして、パンフレットと予定表を2枚ずつ受け取り、1セットをガッコに渡した。それから、俺たちは駅ビルをウインドゥショッピングして回ることにした。

 「なぁ?バイトの、給料貰ったからさ、何か記念にガッコに、プレゼントしたいんだけど?」

 「えっ!ツアーの料金は、当然、半分払うけど、それでも、予約とか?いろいろ、してもらってるから」

 「それは、俺がお願いしたんだから!料金も含めて、俺が持ちたいんだけど?」

 「ダメだよ、それは、か....か、家族じゃないんだから」

 彼氏、とは、言わないんだね.....。

 「じゃあ、尚更、可愛い?弟の“人生初の給料‘で、綺麗なおねいさんに、プレゼントしたいなぁ〜」

 「うぇっ、可愛い弟から、に、プレゼントなのね!」「わ、分かったわ、あんまり、高額の物でないなら、良いわよ、貰うわ、ありがとう」

 「思い出の品だから、なるべく、身に付けられる物を、贈りたいんだ良いかな?」

 「あんまり、派手じゃ無けりゃ.......あっ....でも、指輪は絶対、駄目!」

 「他のジュエリーなら、良いのね」「いろいろお店見てまわって、気になる物が、あれば言ってくれる?」

 俺たちは、あっちこっち、見てまわった。

 そして、俺は気になる物を見つけた。それは、ライトグリーンの小さな石の付いたピアスだった。

 「おねいさん!俺、これを、プレゼントしたい!」

 「えっ、えぇ、これなの?」

 「駄目かな、これ?」

 「可愛いとは,思うけれど....私、ピアス穴開けてないし.....」

 そこに、店員さんが来てくれて言うには。

 「お客様、何かございますか?」

 「この、ピアスをこの人にプレゼントしたいんですが、彼女ピアス穴開けてないから」

 「ピアス穴は、すぐに開けられますし、痛みもそれ程ではございませんよ」

 「でも.......」

 「それでしたら、片方だけペンダントトップにしまして、ネックレスとしてお使いになられましたら、いかがでしょう?」「もう片方は取っておいて、ピアス穴を、お開けになられましたら、その時にピアスとしてお使いになれば、宜しいかと」

 「分かったわ!両方とも、ネックレスにして下さい」

 「ど、どうするの?それ、もう一つの方は?」

 「私から、ミー君へプレゼント」「友情のあかし!」

 二人だけの秘密のアイテムを、手に入れた。

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 その日の夕方、私は、寧子に電話した。

 「もしもし、寧子、ちょっと、いいかな?」

 「どうしたの?良いよ、話し聞いてあげる」

 「今日ネ、ミー君と会って.....デートした」

 「自分から、デートって言っちゃうんだ!」

 「うん、多分、私、ミー君が好き」

 「それは、マー君よりもっ、てこと?」

 「分からない?でも、私は、なのかなぁ?って」

 「違うよ!ガッコ、違う.....の人は、こんな事で悩まないよ!」

 私は、この後、取り留めなく話し続け、寧子は、決して私を見放さなかった。

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    気付いちゃった


 思い違いに 気付いちゃったら

 すぐに認める なんて出来ない

 私の中だけ 思いのうちだけ

 でも、そこに 見知らぬ 私がいたら

 信じていたい 私じゃ無い時

 別の顔して 生きていけるの?

 すべて隠して 笑いあえるの?

 誰かを傷つけ 誰かにそしられ

 それでも生きて 行くしか無いなら

 本当の私と 折り合いつけて

 なりたい私に なって行くんだ

 

 思っていた事 口に出したら

 意外な顔して 振り向かれたわ 

 貴方の中だけ 認めたことだけ

 でも、そこに 見知らぬ 私がいたら

 信じていたい 私じゃ無い時

 いつもの顔で 笑ってくれるの?

 すべて許して 愛しあえるの?

 私を傷つけ 私をなじって

 そんな貴方と 生きるくらいなら

 本当の私と 手を取り合って

 やりたい様に やって行くんだ

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