第5話

目が覚めたらすべて夢で元通り。


なんてそんな夢物語が起こるわけもなく。

以前この非日常は現実のままだった。

目が覚めて時計を見る。時刻は8時を指していた。

昨日はあんなに惰眠を貪ろうと思っていたのに驚くほどそんな気も起きない。

それはそうだろう。

だって今も世界のどこかで戦っている人がいる。

生きる為に、生き残るために頑張っている人がいるんだから。


私は洗面台にいき顔を洗い、歯を磨いた。

少しずつ頭がさえてくるのを感じる。

今日やること。それはあのダンジョンの開拓だろう。

中がどうなっているのか確認しないことにはなにもわからない。

それにもしかしたらすでにモンスターが沸いていて、またあたり一面モンスターだらけになっているかもしれない。


考えれば考えるほど思考は止まらなくなる。

止めるためにもテレビをつけ、今の状況を把握することにした。


ニュースはやはりこの世界の惨状のことだらけだった。

まだニュースがやっているだけましか......。


ニュースの右半分には不可侵エリアと区分けされ、どこにダンジョンが沸いたのかが一瞥できるようになっていた。


駅も一部ダンジョンにされてしまっているのだから交通機関もぐちゃぐちゃだ。

パニックなのは以前変わらない。

その中でいいニュースといえば、カードの使用方法の開示と能力についての解説があったことくらいだろうか。

そしてその能力の中でもランクが高いほどステータスが高く、モンスターとの闘いに特化しているという内容だった。


このニュースを皮切りに、少しでも勇気のある強い者が誕生すれば。もしかしたら人類が生き残る道もあるかもしれない。

まぁ、すべて夢物語ではあるが。


服も動きやすい運動服に着替え、戦うために包丁を手にとった。

まだ木のバットよりかはましだろうという判断だ。


全ても準備が整い、私は顔を両手で一度叩き気合を入れてからまたダンジョンに足を進めた。




「外にモンスターはいないっと........」


昨日できるだけモンスターを倒した結果だろうか。

モンスターはダンジョン外には沸いていなかった。

そのまま足を進める。

昨日進んだ道をとりあえずまっすぐ進んでいく。

モンスターはちらほらいるが、どれも1体で行動しており能力を使用しばれずに頸動脈を掻っ切って仕留められる。


「そんで、ここからが本番だな.....」


昨日進んだとこよりも奥へ、少し足が震えてはいるが見ないふりをして進める。

昨日のように3体で団体行動しているゴブリンを発見した。

Level3にあがったおかげかゴブリンは私のスピードについてこれないのでこれも楽々倒した。

(もしかして思ったより楽か.......???)


そんなことを考えてしまった瞬間背後になにかがいる気がして前にとんだ。

ターンしながら着地をし、先ほどいた場所をみるとそこには剣を持ったスケルトンがいた。


「くっそ!私より武器らしい武器もちやがって、、、!!!よこせ!」


もう一度前に勢いよく飛びスケルトンに飛びかかる。

が、包丁ではスケルトンの骨に傷をつけることができなかった。

どころか刃こぼれしてしまった。


「まじかよ.......!?めっちゃ困るんですけどっ!!!!??」


スケルトンがふってくる剣をいなしながらよける。


「攻撃手段がないならどうしろっていうんだよ.......!!!」


鬱憤を込めながらええいとスケルトンの頭骨を蹴り上げた。


カランカランッ


骨が地面に落ち音が響くと同時にスケルトンの体が崩れ落ちた。


「んぇ.......?なんで??????」


近づいてつんつんとつついてみてもやはりスケルトンは動かない。

(もしかして頭と体をつなぐ骨が弱点なのか........???)


 気づくやいなや倒したスケルトンが落とした剣を拾い上げ、奥からやってきたスケルトンの頸椎を剣でぶった切ってみる。

包丁よりも長いおかげで力も入りやすく渾身の一撃を食らわせることができた。


そしてスケルトンの頭は壁にめり込み、体は思った通り動かなくなった。


「あってた.......っぽいな!!」


よっしゃ!とガッツポーズしながらどんどん奥へ奥へ進んでいった。

Levelが4にあがったころ。曲がった道に宝箱が落ちていた。


「......ミミックの可能性...いや、でもこんなあたかも宝箱です。みたいななりのものみつけて現代人があけるの我慢できる......!!!?!?」


「できね~~~~よ!!!」


ええい、ままよと勢いよく宝箱をあけた。

するとそこには指輪が一つ入っていた。


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【能力:盗人の本懐】

 能力1:認識阻害

 己の認識をゆがめ他者から把握されなくなる

 己よりもランクが高い能力者には効果が効かない


 能力2:物質掌握

 他者の物を己の物にする

 物質には触れなくても視界に入り認識できれば物質を掌握可能


【能力:戦神の寵愛】

 能力1:能力上昇

 己のレベルアップ時80%の確率で2倍能力値が上昇する


 能力2:戦闘の知恵

 全ての武器が使用可能になる

 また、呪いが付与されている武器も無効化して使用可能


 能力3:健康体

 状態異常無効化

 身体が破損しても時間経過により修復される


 Level:4

 攻撃:61(+32)

 防御:38(+16)

 知力:28(+12)

 速さ:60(+28)

 俊敏:45(+20)

 器用:29(+12)

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