第68話 めりあであたらしいまほうをうつ!
次は私の番かな。
メリアの件でレベルが4上がったので、ステータスポイントは12ある。
現在のステータスはこんな感じだ。
≪STR1(1+0+0)≫
≪INT29(8+0+0)+21≫
≪VIT1(1+0+0)≫
≪DEX45(33+0-12)+24≫
≪AGI1(1+0+0)≫
≪LUC482(47+0+104)+331≫
……メリアの補正でちょっとわかりにくくなっている。
ただ、表記的には武器の補正で上がるプラス値は種族補正で過剰に下がっている分を弾けるということになるのだろうか。
例えば、STRが10上がる武器を装備したとしたら、私のように種族補正でSTRに大幅なマイナス補正がある場合でも、ちゃんと11に上がってくれる。という風な表記がされているという話だ。
それはさておき、まずはLUCに1振っておこう。
≪LUCにステータスポイントを1割り振ると、LUC151(47+0+104)→LUC154(48+0+106)となります。よろしいですか?≫
とりあえずこれでコットンには勝った。
それに、こっちだとメリアの補正なしで表記されるらしい。少しややこしいが、わかりやすいといえばわかりやすくもあるかな。
そして残りの11ポイントだが、メリアのおかげでINTをしばらく上げずに済みそうなので、DEXに全部つぎ込んでしまおう。
……ところで、このメリアのDEX補正って調合とかする時にも乗るのかな。ちょっと意味不明だが、乗るとしたらとても便利だ。
≪DEXにステータスポイントを11割り振ると、DEX21(33+0ー12)→DEX30(44+0ー14)となります。よろしいですか?≫
DEXもかなり上がってきたね。
というか、改めてみるとメリアの補正が狙ったかのように私が上げている個所と被っている。見事に運営の想定通りにポイントを割り振ってるのかな、私。
そしてあとはスキルだが、まずはこれらを取得しておこうというものがある。
≪スキルポイントを2使用して、スキル:鍛冶 を取得します。よろしいですか?≫
≪スキルポイントを2使用して、スキル:料理 を取得します。よろしいですか?≫
というわけで、鍛冶スキルと料理スキルだ。
そして、アザッレの街に着いたら鍛冶と料理の師匠を見つけておこうと思っている。
この前調合スキルや鍛冶スキルの使い方を教えてくれるNPCには限りがあるのではという説が思い浮かんだため、念のためにというわけだ。
こういった類のスキルは他にも色々あるが、手を出し過ぎても時間が足りないのでとりあえずは『調合』と合わせてこの三つでいいだろう。
さて、この二つにスキルポイントを4使ったので、残りが17となる。
残りは温存でもいいかなと考えていたのだが、メリアのおかげで魔法を撃つ機会が多くなりそうだということで、スルーしていた『氷双弾』を取得しておこう。
≪スキルポイントを3使用して、スキル:氷双弾 を取得します。よろしいですか?≫
「よし」
せっかく取得したので、まずは試し撃ちだ。
メリアを両手で持って前に構えると、二十五個の点がうっすらと浮かび上がってきた。
「おお……本当に武器なんだ」
当然ではあるが、改めて感動する。
こんなボロボロのテディベアで魔法を使う少女……いや、聞いたことがないな。
「そういえば、三つのボタンは……」
軽く胴体をまさぐってみても見つからなかったので、改めてぐるぐると回して隅々まで確認する。
すると、置いた時に地面に接するおしりの部分に、横一列に配置されていた。
「てことは、下を持たなきゃいけないんだ……んー……」
色々と持ち方を試してみたが、右のボタンを右手の中指、左と真ん中のボタンを、それぞれ左手の中指と薬指で押すのが一番しっくりときた。
左手で担当する二つのボタンに関しては、押すのが簡単なのは人差し指と中指だが、そうすると余って右側に押し出される薬指と小指の位置取りがなんか気になって集中力を欠いてしまうということで、中指と薬指になった。VRゲームの中なのでいくら酷使しても攣ることはないため、薬指でも特に問題はないだろう。
「それじゃ、改めて……!」
『氷双弾』はまだ発動が簡単といえる魔法スキルで、結ぶ点が四つ、ボタンの切り替えは一回の魔法だ。
結ぶ点は、順番に2五ー3三ー4三ー2二。そして、3三ー4三のところで、押すボタンを左から右に切り替える。これだけだ。
「ほっ、よっ……とーっ!」
無事に成功した『氷双弾』が、メリアの口から放たれる。
私からはメリアの口が見えないので、ステッキよりも魔法が発射される位置がわかりづらいのは難点かな。慣れるまで狙いをつけるのが難しそうだ。
ちなみに『氷双弾』はその名の通り氷の小さな弾を二発撃ちこむスキルで、発射のタイミングに若干の時間差があるスキルだった。
その時間差を利用してメリアをサッと移動させれば、一発で二匹の敵を同時に攻撃することも可能だろう。まあ、あくまで理論上は可能といったレベルだが。
「お、クールタイムも四秒だ」
四秒というのは、『アイススピア』の連射性0のクールタイムと変わらない。
その分MPの消費が増えていそうだが、流石は連射性からの派生スキルというところだろうか。
しかし、そこに関して気になるところもある。
「ストーンリザードの時みたいな狩りなら、クールタイムってそこまで重要じゃないよね……」
敵を集めてまとめて屠るというのが狩りとしてとても効率が良さそうだったし、今後も基本的にはそうなると考えると、敵を集める時間が必要になるのでその間にクールダウンが間に合えば問題ないということになる。
私としては防御手段としての攻撃スキルという面もあるのでこういった連射性に優れた魔法の方が良いかと思ったのだが、大味な魔法もいずれは必要になってきそうだ。
「となると、次の派生スキルは……いや、『氷双弾』はもう連射性方面に振りきって、ダメージを狙うのは別口で他のスキルから派生させていった方が良いのかな」
まあ、これに関してはまたスキルレベルが上がってから悩むとしよう。
ちょっとタスクが多すぎて、いちいち先のことで悩んでいる余裕が今の私にはないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます