第43話 わたしのかち
改めてステータスを確認してみると、こんな感じになっていた。
≪STR1(1+0+0)≫
≪INT8(8+0+0)≫
≪VIT1(1+0+0)≫
≪DEX1(7+0-6)≫
≪AGI1(1+0+0)≫
≪LUC100(30+0+70)≫
≪ステータスポイント43≫
LUCはしばらく上げなくていいかと思っていたが、これだけ一気にレベルが上がってしまうとしばらくレベルが上がらないという可能性も考えられるので、少しは振った方が良いかもしれない。
いや、どどがまともに戦闘をできるのなら、そういった心配はないのだが。
「んー……」
「ケケ?」
ステータス画面を見つめて悩む私を見て、どどが首を傾げる。
どどから見た私は、虚空を見つめながら悩んでいるという構図になるので、心配そうにするのも納得だが。
「大丈夫だよー」
「キキッ」
体をなでくりまわすと、どどがくすぐったそうに笑う。
結構不気味な声をしているのでちょっと怖かったりもするが、まあいつか慣れるだろう。
しかし、こうしてじゃれてる相手がとんでもないステータスをしていると思うと何とも言い難い気持ちが湧いてくる。
「……さて」
どどと戯れて現実逃避をするのもこのくらいにして、ステータス振りのことを考えよう。
どどが戦えなかった時のために最低限自力で戦うためのINTを振るべきかとも思うが、今のところ魔法攻撃は何故か効かないということが多いので、魔法防御力という意味も含めてのINT振りだったので何となく躊躇う気持ちが強い。
ここは思い切ってDEXに振ってみようか。試しに、今あるポイントを全部DEXに割り振ろうとしてみる。
≪DEXにステータスポイントを43割り振ると、DEX1(7+0ー6)→DEX35(50+0ー15)となります。よろしいですか?≫
「35かー」
LUCが高すぎて感覚がバグっているのかもしれないが、35があまり高く感じられない。あと、どどのDEXが88あるのもその原因だと思う。
「ていうかINT149って……」
「ケ?」
このネタは何回でも擦れる気がする。
149の衝撃が強すぎる。
「……よし」
何も考えずにLUCにステータスポイントを17割り振る。
≪LUCにステータスポイントを17割り振ると、LUC100(30+0+70)→LUC151(47+0+104)となります。よろしいですか?≫
はい、私の勝ち。
なんてことをしていたら、ステータスポイントが残り26になってしまった。当然のことである。
「まあ、あとはDEXでいいかな。戦闘以外で役に立ちそうだし」
というか、もはや戦闘要員はどどだけでいいと思う。まともに戦えれば。戦えて欲しい、お願いだから。
≪DEXにステータスポイントを26割り振ると、DEX1(7+0ー6)→DEX21(33+0ー12)となります。よろしいですか?≫
うん。かなり伸びたんじゃないかな。
ちなみにメノはDEXに全く振っていないけど11あると言っていた。私が32振って21だと思うとちょっと悲しくなってくる。
メノといえば、いつの間にかレベルが13に上がっていた。
私がのんびり買い物をしている間にも、必死にレベルを上げていたのだろうか。なんだかこんな形で追い抜いてしまって申し訳なさもある。
そんなメノへの申し訳なさは、情報提供で埋めるとしよう。
そのためにも、次のことを確認しなければ。
「あとは機能かな。騎乗ペットと出店だったっけ」
先に、レベル15で解放された騎乗ペットという機能を確認してみる。
新たにメニューに増えていた騎乗ペットのコマンドを開くと、システムメッセージが流れてくる。
≪騎乗ペットは、プレイヤーを乗せてフィールドの移動をサポートしてくれるペットです。騎乗ペットの獲得には、騎乗ペットコインが必要となります。騎乗ペットコインは、プレイヤーのレベルが上がることで一定値ごとに獲得できます≫
つまり、入手できる騎乗ペットコインは有限ということか。使い道に悩みそうだ。
≪また、プレイヤーの種族や身体的特徴により獲得可能なペットが異なります。転生で種族を変更して騎乗ペットの獲得条件を失った場合、そのペットは一時的に使用不可状態となり、再び獲得条件を得た場合に使用可能となります≫
ふむ。
まあ、騎乗ペットのサイズや生態的な問題なのだろう。
≪また、騎乗ペットは戦闘をサポートしてくれることもあります。絆を深め、能力を鍛え、一緒に戦場を駆け抜けましょう。なお、騎乗ペットは移動することで経験値を獲得し、レベルが上がっていきます。また、騎乗ペットが死亡した場合一時間の復活時間が必要になります≫
「……ほ?」
なにやら重要なワードが見えたけど?
『戦闘をサポート』からの『絆を深め、能力を鍛え』ということは、もしかするとテイムモンスターもその必要があるということではないだろうか。
テイムモンスターの機能ってもしかしてこの後にアンロックされることが想定されたものだったのかな。そういう説明なかったし。
となると、どども絆を深めるまではそこまで一緒に戦ってくれないということになる。
こっちを先に確認しておけばステータス振りも違ってきたかもしれないが、まあ後の祭りだ。
戦闘以外の遊びも色々手を出してみたいところだし、しばらくはべにいもとどどと一緒にまったりと遊ぼうかな。
なんて思っていたところに、メノからメッセージが届いてくる。
≪meno:双翼の森を抜けた先の街までたどり着きました≫
≪meno:ゆきひめさんもこっちに来ましょう≫
≪meno:街も広くて色々あります≫
≪ゆきひめ:どの辺ですか?≫
メノとしては私と狩りをしたいだけなのだろうが、私としても知っている人が近くにいる方がいいので断る理由はない。
≪meno:双翼の森を南に抜けてそのままずっと南です≫
≪meno:マップデータを送りましょうか?≫
≪ゆきひめ:お願いします≫
VCSでは自分の足で行ったことのあるところしかマップに記載されないが、他のプレイヤーからマップデータを貰うことで簡単にマップを広げることができるらしい。
それでもダンジョンの内部とかを含めるとマップデータが膨大過ぎて、そのくらいでないとただ面倒なだけになってしまうからこれでいいというのがエリーナの意見だった。
メノから送られてきたデータを確認し、メッセージを送る。
≪ゆきひめ:ありがとうございます。結構遠いですね≫
≪meno:ずっと移動していた気がします≫
≪meno:騎乗ペットがあれば楽に来れるかと思って声をかけました≫
なるほど。メノは騎乗ペットの機能に関しては既に聞いたことがあると言っていたので、それも踏まえてのお誘いだったようだ。
≪ゆきひめ:今ちょうど騎乗ペットを確認してました≫
≪meno:何が当たりましたか?≫
≪ゆきひめ:?≫
≪meno:あれ≫
≪meno:ペットガチャで何が当たるかの運ゲーだと聞いたのですが≫
おー……そういうね。
私はてっきり騎乗ペットコインで騎乗ペットを買うのかと思っていたが、どうやら違うようだ。
≪ゆきひめ:いえ、ついさっき開いてチュートリアルを受けていたところなので≫
≪meno:ご武運を≫
≪ゆきひめ:ありがとうございます≫
さて、ガチャの時間ですか。サクッと行きましょう。
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