第42話 かーすどどーる、ぶっこわれせいのう


 一度、過去ログを振り返ってボス部屋入場からカースドドールのテイムまで振り返ってみよう。




 ≪称号:挑戦者 を獲得しました≫

 ≪称号:緊急招集 を獲得しました≫

 ≪レベルが12になりました≫

 ≪称号:ファーストコンタクト を獲得しました≫

 ≪レベルが13になりました≫

 ≪カースドドールのテイムに成功しました≫

 ≪レベルが14になりました≫

 ≪レベルが15になりました≫

 ≪機能:騎乗ペット が解放されました≫

 ≪レベルが16になりました≫

 ≪レベルが17になりました≫

 ≪レベルが18になりました≫

 ≪レベルが19になりました≫

 ≪称号:大将 を獲得しました≫

 ≪称号:ボス討伐 を獲得しました≫

 ≪レベルが20になりました≫

 ≪称号:英雄 を獲得しました≫

 ≪レベルが21になりました≫

 ≪レベルが22になりました≫

 ≪称号:伝説のプレイヤー を獲得しました≫

 ≪レベルが23になりました≫

 ≪機能:出店 が解放されました≫




 うーん、多すぎ。

 レベルが12上がり、称号を七個獲得し、機能が二つ解放されている。

 これがゲーム内LUC×リアルラックの力というわけだろうか。


 なんて冗談はともかく、まずは称号の詳細を確認していこう。


 ≪挑戦者 ボスの部屋に入ったことのある人に贈られる称号≫ 

 ≪緊急招集 イレギュラーボスの部屋に入ったことがある人に贈られる称号≫ 

 ≪ファーストコンタクト 世界で最初にイレギュラーボスの部屋に入った人に贈られる称号≫ 

 ≪大将 コスト10のモンスターをテイムしたことのある人に贈られる称号≫ 

 ≪ボス討伐 ボスを討伐したことのある人に贈られる称号≫ 

 ≪英雄 イレギュラーボスを討伐したことのある人に贈られる称号≫ 

 ≪伝説のプレイヤー ワールドアナウンスで名前を呼ばれたことのある人に贈られる称号≫ 


 当然のことだが、全部に見覚えのあるものだ。

 要は、称号というのは、ゲームシステム的な経験値というわけではなく、この世界で実際に積んだ経験を経験値へと換算してくれるシステムなのだろう。

 それにしても、カースドドールはコスト10なのか。


(そういえば……)


 カースドドールをテイム、つまり撃破した際の経験値で、レベルが13から19に上がっている。

 もしかすると、カースドドールはとんでもないレベルをしているのではないだろうか。


「キケケッ」

「ん?あ、ごめんね」


 そういえば、すっかりとカースドドールの存在を忘れていた。テイムした後は自動で召喚状態になるんだった。

 カースドドールへと手を伸ばして、その体を掴んでみる。感触はまさに藁人形そのもので、カサカサとした藁の感触が私の手に伝わってきた。


 そして、カースドドールを触りながらそのステータス画面を開いてみる。


「……レベル50」


 ずるじゃん、これ。

 こんなの、カースドドールを使えばなんでも倒せ……いや、そういえば、べにいもはレベルとステータスはそこそこの癖に全く戦ってくれないんだった。


「ケ?」

「……名前も付けてあげないとね」

「キケー」


 まあ、そこは後で試してから考えるということで。まずは名前だ。

 青紫色の藁人形。名称はカースドドール。呪われた人形といったところか。あとは、大きな杖と五枚のお札……


「どど、にしようかな」


 カースドドールのドドの部分がなんだかよくわからないけど好きだ。


「今日から君の名前はどどだよ」

「キキッ」


 あ、ちゃんと返事っぽい。

 あとは、どどのスキルも確認しておこう。


「……って、スキルポイント86あるし」

「ケ?」


 いや、まあレベル8からレベル50までの分としてはあるべきものなのだが。

 そしてそれとは別に、固有のスキルが『超爆発』・『毒の海』・『地割れ』・『呪魂』・『孤独への誘い』と五つある。それぞれ、あのお札の魔法のことだろう。

 一応、こちらも強化内容などの詳細を表示してみる。


『超爆発』1 地系範囲攻撃魔法 強化内容:威力0 範囲0 速射性0 連射性0 消費0 強化ポイント0

『毒の海』1 闇系範囲攻撃魔法 強化内容:確率0 毒性0 範囲0 速射性0 連射性0 消費0 強化ポイント0

『地割れ』1 地系フィールド攻撃魔法(物理ダメージ) 強化内容:効果対象0 範囲0 連射性0 消費0 強化ポイント0

『呪魂』1 闇系単体攻撃魔法 強化内容:確率0 持続時間0 移動速度0 速射性0 連射性0 消費0 強化ポイント0

『孤独への誘い』1 闇系範囲デバフ魔法 強化内容:持続時間0 範囲0 速射性0 連射性0 消費0 強化ポイント0


 うーん……まあ、私が使うスキルじゃないしよくわからないままでもいいか。


「あとは、ステータスかあ」

「キケケッ」


 少し見るのが怖い。

 きっと、とんでもない数値が書かれているのだろう。


「……よし」


 私は、とんでもないものが出てきても驚かないように気合を入れてその画面を表示した。

 ……というのに、思わず笑いが漏れてしまう。


 ≪STR16(9+7)≫

 ≪INT149(52+97)≫

 ≪VIT34(17+17)≫

 ≪DEX88(31+57)≫

 ≪AGI1(14ー13)≫

 ≪LUC1(3ー2)≫


 INT149ですか。そうですか。

 ちょっとべにいものステータスと比べてみよう。


 ≪STR2(2+0)≫

 ≪INT6(4+2)≫

 ≪VIT5(4+1)≫

 ≪DEX3(3+0)≫

 ≪AGI1(1+0)≫

 ≪LUC8(4+4)≫


 ちなみに、左の数値が基礎値、右の数値が種族補正だ。

 テイムモンスターにはジョブという概念がないようで、この二種類しかない。


 コスト差があるとはいえ、どどの種族補正が狂っている。INT+97って何?

 あと、多分だけどAGIとLUCのマイナス値はもっと高いよね。テイムした時のレベルまでに得たステータスポイントは自動で割り振られてしまうようなので少しもったいないが、これ以上振る意味はなさそうだ。

 しかし、自動割り振りの偏りからして種族補正とそれなりに比例するように割り振られるのだろうか。だとすると、LUCのマイナス値はとんでもなさそうだ。


(あ、どどの基礎値から50までに得たステータスポイントを計算したら、獲得ステータスポイントを逆算できないかな)


 そう思って、計算をしてみる。

 基礎値は最初から1あるので、それぞれのー1した値を足すと、8+51+16+30+13+2で120だ。キリが良い。

 一応べにいもの方も計算すると、1+3+3+2+0+3で12となる。べにいもはレベル6だから、1につき2だろうか。しかし、レベルも最初から1なわけで……


(そういえば、最初から持ってたステータスポイントがあったっけ)


 プレイヤーの場合は一律で5もらえるようだが、モンスターの場合はこれも2なのかもしれない。そう考えた方が、べにいもの獲得ステータスポイントがわかりやすい。

 それに対して、どどはレベル50で120ポイントだ。レベル1につきステータスポイント2だとすると、ステータスポイントが20余ってしまうである。


(となると、二十回分のレベル31からレベル50は3もらえてるってことかな。下一桁ボーナスだとすると、五回で分けてそれぞれ+4の6もらえてるってことになっちゃうから、プレイヤーよりもらえてて違和感あるし)


 最初にもらえるステータスポイントはプレイヤーの方が多いのに、下一桁ボーナスはテイムモンスターの方が多く、しかも6という(考えようによってはキリはいいが)キリの悪い数値というのは違和感がある。

 なので、そのボーナスがテイムモンスターにはないと考える方が自然だろう。だとすると、プレイヤーもレベル31以降はステータスポイントを3、私の場合は多分4もらえそうだ。


 と、そういえば私のステータスポイントも割り振らなければ。

 またたくさんもらえてそうだし、うれしい悩みが尽きない限りである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る