さよならの言い方を教えて
一ノ宮ひだ
第一章 それは言葉にならない祈りのような
1. あと一秒で世界が終わるとして
平成十一年。西暦にすると一九九九年――ちょうど今年から二十五年前にもなる。
その年の夏、世界は終わるはずだった。
世界が終わってしまうから、将来について考える余地もない。けれども目前の現実から逃げられるはずもなく、希望も期待も捨てかけていたころに彼女と出会った。
彼女と大好きだった音楽を聴いた。
彼女と美味しいものを食べた。
彼女と古着屋に行ったり、映画を観た。
彼女と海に行って、一緒にすやすや眠った。
彼女といるときはまがいもなく幸せで、その幸せを傷一つない状態で手放すために、最後の日は二人で死のうとした。
もちろん私たちは死ねなくて、世界は終わることがなくて、彼女へのさよならの一言も言えなかった。
今から話すのは、私たちの世界が終わるまでに起こった、ごくごくありふれた日々の軌跡だ。
♦
自宅の最寄り駅である五反田駅から、丸い目を光らせた外回りの黄緑色の電車に乗り込む。僅か七分程度の人混みに耐え、降り立つ渋谷駅。人々が足早に行き交う交差点の向こうのビルには、消費者金融の広告が階跨ぎにいくつも重なり、霞んだガラス窓の一面を覆っていた。渋谷駅前のバスロータリーには緑の都営バスが並び、ゆっくりとした流れで乗客を待っていた。ハチ公前から周囲を一目で見渡すと、ひときわ目立つのは「サロンパス」の大きな青と緑の看板、そして「HMV」のピンクのロゴ。その前部に高々と掲げられている109の大型液晶ビジョン。そんな光景の全てが、渋谷宇田川町のアイコニック的存在だった。
「どうしようか、なんて、どうしようもないよ」
一九九九年の初夏。私は塾と学校の往復に明け暮れる毎日を過ごしていた。
終わりのない不景気を経験した両親は、行き先の分からない日本の将来を不安視していた。それに合わせるかのように、私の進学先を偏差値の高い私立高校にシフトチェンジすると、週三日で塾に通わせた。進路についての話題になると、途端に空気が張り詰める。何をどう選んでも、将来の不安は消えることがなく、ただ目の前にある模擬試験と、親の厳しい目に追い立てられる日々。
「あー、人生ってめんどくさ」
塾へ行くときは、いつもそんなことを道中で呟いていた気がする。
大体いつも不安が隠しきれないもので、進学の話になるたびに苛立ちが頭の中に広がっていた。見えない何かが家族と私の心を引き裂こうとしているけど、それでも何もできない自分に嫌気が差して、どこにも居場所がない。太陽の陽気が私の胸を突き刺す度に、そう思うことが増えていった。
そんな私にとって、唯一の救いは音楽だった。塾が終わり、どこへ向かうともなく渋谷の街をさまよう夕暮れ時。駅前のスクランブル交差点では、信号が赤から青に変わるたびに流れる人波がどこまでも続いていた。そのけたたましい喧騒を生み出す波に沿って、多くの不安と微かな希望の両方を抱えながら、心にこびりついた焦燥に思い馳せる道のり。駅前のタワーレコードやHMVに立ち寄り、知らないバンドのCDジャケットを手に取って試し聴きをする。ほんの些細なことをただ延々と繰り返すような、あの時間が好きだった。
家に帰って済ませると、直ぐに部屋にこもってラジカセをつけた。時計の針が「9」と「0」を指すと、イヤホンの中にはいつもNHK-FMのミュージックスクエアが流れていた。勉強机に手をつけて、数学の証明問題を解きながら、心は音楽に全てを任せていた。有線から耳に届くまでの間、メロディーが生み出す空気の振動は、窓の外に広がる夜の闇に溶けていくようだった。
つまるところ音楽は、未来のことなどどうでもいいと思っていた私にとって、鬱憤した現実から唯一の逃げ場だった。
だから、受験勉強で覚えた英単語や、読んでいた少女漫画の作品名の数よりも、音楽雑誌を必死に探し回って知ったバンドの数の方が何百倍も多かった。それは大人になった今でも、全く後悔はない。無意味だったのかもしれないけれど、それが私の人生の歩き方だったからだ。
何もかもが不確かで、頼りない情報だけを頼りにしていた。でもその小さな断片を繋ぎ合わせることにこそ、私のすべてが詰まっていた。
その中でも、スーパーカーは特別だった。思春期の私は、毎日のようにそのバンドの曲を耳に刺し込んでいた。彼らの音楽は、若さが剥き出しだった。まるで水と油が一瞬混ざり合うかのように不安定で、それでいて冷めたコーヒーみたいにひねくれていた。
だけども、そのバンドにはマジックがかかっていた。
曖昧で、冷たくて、しけた空気の中に真っ白な光を投げかけるような淡々とした歌詞世界と、ノイズギターを掻き鳴らして生まれたような爽やかなメロディーは、あの時代の薄っぺらい不安や焦燥感と完全にシンクロしていた。それはまるで、私が生きる「今」をそのまま切り抜いたように。
それはさておき、あの子との出会いの話をしよう。
一九九九九年六月二十九日、午後五時三十二分頃だった。その日の私もいつものように、塾が終わると無意識のうちにタワーレコードへ足を運んでいた。
別に、特に何か目的があったわけではない。「絶対志望校!絶対学力向上!」というプレッシャーを全面に押し出した塾の貼り紙を背を向け、いつもどこか落ち着かない気分のまま、ただ音楽に逃避するようにして、店内を彷徨うことが習慣になっていたからだ。
その日、私はスーパーカーのセカンドアルバム『JUMP UP』を手に取った。リリースからもう二ヶ月も経っていたけれど、中学生でお金のない私は中々買えずにいたのだ。今日こそは!と決意し、そのアルバムを触れると、冷たいジャケットの感触が心地よく、アイボリーの下地の無機質なデザインが妙に時代に合っているように感じた。
しかし、手に触れたその瞬間、隣にいた誰かの手が同じCDに伸び、私たちの指がかすかに触れた。思わず顔を上げると、そこには私と同じ年頃の女の子が立っていた。
「……あっ」
ごく普通の女の子だった。特段綺麗とか可愛いとかではなく、すごく奇抜なファッションをしている訳でもない。私の横に立っていたのは、「GAP」と全面にプリントされた深緑の半袖スウェットを着ている、少し身長の高いショートヘアーの女の子だった。
「……あっ」
「……えーと、すいません」
「……いえ、こちらこそ」
私たちはしばらくの間、無言で見つめ合っていた。彼女の目には、どこか遠くを見つめるような不思議な光が宿っていた。それが眩しすぎて、その瞬間、私はなぜか申し訳ない気持ちになり、彼女に一礼した後、言葉もなくその場から離れ、店の出口へと向かった。
心の中で、自分の逃げ癖を責める。でも、どうしようもなかった。誰かと何かを共有すること自体が、当時の私には重荷だった。
だけど、店を出た瞬間、後ろから軽快な足音が聞こえてきた。振り返ると、あの女の子が息を切らしながら駆け寄ってきた。
「あの!」
そして、彼女は少し恥ずかしそうに、それでもまっすぐな声で問いかけた。
「……スーパーカー、好きなんですか?」
彼女は、まだ真新しいお買い上げシールの貼られた紙袋を開け、「JUMP UP」を両手に持っている。
「ねっ!、ねっ!」、と散歩に行く前の犬みたいに彼女は微笑んで、何も言わずに私を見つめている。
その言葉遣いの必死さに萎縮しながらも、私はなんとか頷いた。「はい。好きです」と返すと、彼女はビクッと肩を震わせて、興奮したような顔を見せた。そこから、彼女は立ったまま話し始めた。
「嬉しい!このバンド好きな人、私以外にもいるんだ!」
「……ああ、それはどうも」
「好きな曲、教えてください!」
「……えーっと、全曲好きです。シングルのB面も好きだし、収録曲の順番まで覚えてます」
「それ、私もです!」
「……スーパーカーは、ミュージックスクエアで知って、そこからもうとりこで」
「えっ!?あの、中村貴子さんの!?」
「そうですね」
「私もあれ、毎日欠かさず聴いてます!すっごい好きです!」
「私も毎日、絶対聴いてます。あれはもう生き甲斐です」
「……他にどんなバンドが好きなんですか?」
「……オアシスとか、ライドとか、あとは……ジザメリとか」
「……ああー!そっちかー。なるほど、洋楽がお好きなんですね」
あまりに突然に話を進めるものだから、私は嘘をついてしまった。オアシスは一回聴いただけで満足したし、ライドは「ノーホエア」しか買ったことがなかったし、ジザメリなんて数曲分のイントロしか知らなかった。
実のところ、私はばりばりの邦楽畑の人間で、しかもスーパーカーしか真面目に聴いていなかった。本気で「かっこいい」と思って、本気で「好き」だったのも、後にも先にもあのバンドだけだった。
「ところで、いくつですか?」
「十五歳ですよ」
「……えっ!タメじゃん!」
「わー、すごいですね。偶然ですね」
「よかったら、少しだけお話しませんか?」
一度頷いてしまうと、そこからは思いがけないほど話が進んだ。初対面の名前もお互い知らない中学三年生とは思えないほど、好きなことに対して日々募らせた本音をぶつけあった。
例えば、スーパーカーのファーストアルバム、「スリーアウトチェンジ」の中でどの曲が一番好きか、ラジオの7月のエンディングテーマだったスウィンギング・ポプシクルの「リメンバー」は、シューゲイザーに分類されるのか否か、石狩平野のど真ん中で、TMGEとBJCが一堂に集結する、ライジング・サン・ロックフェスティバルが、いかにして素晴らしいか、存分に語り合った。行けもしないのに。
彼女も私と同じように、音楽に夢中だったようで、私はただ嬉しかった。いつも部屋に篭りながら聴いていた音楽の世界に、共有できる仲間が一人増えたから、暗闇の中に希望の糸が垂らされている感じだった。
そしていきなり、私は彼女に理由もわからないまま、なぜか打ち明けていた。
「私って、生きてる意味あるのかな?」
誰と話しても埋められない溝が生まれてしまう学校のこと、親の過剰なプレッシャーに押しつぶされそうな受験のこと、行き先も分からないまま進んでいて、でも本当はどこにも行きたくないような、そんな将来のこと。
それらを引っ括めて、私という存在自体が「生きる意味」の疑問符だった。
「……嫌なの?辛いの?生きるのが」
「……別に、そこまでではないけど」
生きたくはないけれど、死ぬ勇気がない。
こんなちっぽけなことで、命を無駄にする勇気がない。
「大丈夫だって」
「……なんでそう言えるの?」
「……何回でも言ってあげる。何も心配ないよ。だってこの夏、世界は終わるから」
だけど彼女はそう言って、まるでこの世界の行方の全てを悟ったように微笑んだ。あの時は、その笑顔に少し驚いたけれど、不思議と私もすぐにその言葉を受け入れていた。
1999年、ノストラダムスの「恐怖の大王」が7月に訪れて、世界を滅亡させるという予言は、世紀末の不安を象徴する言葉として、私たちの周りにも静かに広がっていた。それが現実になるかどうかなんて、誰も本気では信じていなかったはずだけど、どこかで私たちは、そんな一抹の不安を感じていた。
「本当に世界が終わるなら、全てどうでもよくなるよね」と彼女が続けた。
「そうだね」と私は小さく答えた。「でも、怖くない?」
「じゃあ、もしあと一秒後に世界が終わるとしたら、あなたはどうする?」
私は少し考えてから、軽く肩をすくめた。
「わからない。きっと、何もできないかな」
「……どうやって世界は滅ぶのかなぁ」
人類が滅亡するなんてメディアが大胆に言ってしまえば、世間がやけに騒がしいのも納得がいくのだけど、世界が終わるその瞬間を、私は少しだけ心待ちにしていたのだ。
「例えば、未知のウイルスとか、まれに見ないほどの超巨大地震とか、ミサイルが頻繁に打ち上げられたり唐突に戦争が始まるとか、そんな感じ?」
「でもそんなんじゃたった数秒で世界は滅亡しないよ」
「じゃあこうしよう。この世のどこかにこの世界の運命を握る人がいて、その人が『さよなら』って言うんだよ。そしたら世界は、音もなく簡単に崩壊する」
陽気なBGMがあちこちから流れていた。カフェやショップから漏れ出す軽快なポップスが雑多に混じり合い、街全体を包み込むように響いている。それに惹かれたように、多くの若者の笑い声がする。その明るい音楽の裏で、歩道の片隅ではスーツ姿のおじさんが、居酒屋へと向かいながら、部下と思わしき若い男性に大声で話しかけていた。すでに酔いが回っているのか、汚らわしい笑い声がやけに響き渡り、二人の歩く足音が渋谷の雑踏の中に消えていく。夜が深まるにつれて、渋谷はそんな喧騒に飲み込まれていった。
私は彼らを知った気になって、知らないふりをするように視線を遠ざけて月を見た。
「もしも世界が終わっても、私は何もできないから、ただ空を見上げることにするよ」
「あっ、綺麗」
そのとき、頭上には澄んだピンク色の月が、静かに夜の空に浮かんでいた。私たちはしばらくその月を見上げて、無言で立ち尽くしていた。何も言いたくなかったから、言葉はもう手放していた。もう少しで世界が終わるかもしれないけど、それもどうでもいいことのように思えた。
「世界の終わりみたいな空の色だ」
「……この月はね、ストロベリームーンって言うんだよ」
「へー」
「この前朝のニュースで見たんだよ。好きな人と一緒にこの月を見ると、その人と永遠に結ばれるって」
そう彼女は教えてくれたけど、もうすぐ世界が終わってしまうのに「永遠」という言葉を使うのは、なんだか皮肉めいていた。
「もしこの空が世界の終わりなら、すごく悲しい色だね」
「でも結局、それが幸せかもしれないよ。傷ひとつない綺麗なものに、傷をつけなくて済むから」
世界が終わるその時に、何も傷つけることなく、そのままの状態で終わることのほうが、もしかしたら幸せなのかもしれないと。
すごく悲観的な考えなのは間違いないけれど、当時の私には妙に美しくて、それが希望的観測のように映っていた。
「……次、いつ会えるかな?」
「……来世?」
「いや、そういうことじゃなくて」、そう彼女は言い出すと、「私、学校に友達いないから、この夏くらいは少しだけ、誰かと一緒にいたいの」と真っ赤な月に向かって吐き出した。
「……分かった。じゃあこれから毎週土曜日、塾サボる」
「えっ」
「何?」
「……ほんとにいいの?」
「いいんだよ、勉強なんてしなくても。だってこの夏、世界は終わるから」
彼女の真似をしながら話すと、突然、彼女が私を抱きしめてきた。思わず体が固まった。こんなことがあるだなんて思いもよらなかった。名前も覚えたての、しかもその日初めて会ったばかりの女の子に、いきなりハグされるなんて、数時間前、塾で退屈な現代文の問題と向き合っていた私には想像もできなかっただろう。
私はそのとき、何も分からなかった。私が知っていたのは、彼女の腕の温かさと柔らかさ、そして自分の胸が彼女より少し小さいことに気づいたという、そんなどうでもいい事実だけだった。
「ありがと」
「……なんでハグ?」
「なんでだろ?」と首を傾げると、彼女はすぐに言った。
「嬉しいからかな?」
「……私も、嬉しい」
「そう言われると、もっと私は嬉しい」
「そうやね」
「……ねっ、来週、一緒にこのアルバム聴こうね」
「うん」
「絶対だよ!約束だよ!」
「分かった」
「……ところでさ」
「うん」
「……名前、なんて言うの?」
「……今さら」
「……だって!お話に夢中になりすぎて!」
「……
私は、特に何のひねりもない自分の名前を言った。あのときの私は反抗期だったから、普通すぎてなんの特徴もない自分の名前が嫌いだった。そして、そんな名前をつけた両親も嫌いだった。
私の名前が空に響いた後、彼女は言った。
「……私はね、『ニルヴァーナ』って言うの、よろしくね」
そう、彼女は厨二病の真っ只中だった。口癖のように「この世界は終わりに近づいている」とか誰も信じないようなことを自らほざいていた。それでもどこかでほんの少しの運命を感じているような、そんなミステリアスな空気をまとっていた。
もしもこの世界がハリウッド映画ばりのロマンスやファンタジーの物語だったら、彼女はこの世の運命を握る悲劇のヒロインで、私は彼女と一緒に世界を救う勇者だったかもしれない。あと一秒後に世界が終わってしまうくらいの確率で、そんな壮大なストーリーが広がっていたはずだ。
だけど、現実は全然そんなものじゃなかった。私はただ、受験勉強やスクールカーストという目に見えない厄介な「魔物」に日々苦しめられ、日本は白球を鋭い軌道で放る「怪物」に夢中になっていた。だからみんな、見えない魔物に苦しめられる私のことは置いてけぼりにして、誰もが彼のことばかり話していた頃だった。
「……なんで?」
「えっ?」
「……本名教えてよ。な、ま、え、わかる?」
「……ひ、み、つ」
「なんでよ」
「だって、この夏、世界は終わるから」
彼女はそう言い残し、軽やかに笑ったかと思うと、急に立ち上がった。
「あっ、電車の時間だ!私、もう行くね!」
「ちょっ、待っ——」
言葉を途中で切り、慌てて引き止めようとしたけど、彼女はまったく気にしていない様子で振り返りもせずに駆け出した。
慌てて私は立ち上がって、彼女を追いかけた。
「どこ行くの!?」
「ひ、み、つ」
「また会うの!?」
「うん、絶対!」
「どこで!?」
「ここで!」
「いつ!?」
「今週の土曜日!」
「一つだけ聞きたい!あなたは、何者!?」
「ひ、み、つ!」
「じゃあせめて、何か教えてよ!あなたのこと!」
「……目印は、WAVEの紙袋と、ソニーのヘッドホン!」
後ろ姿だけが遠ざかっていく中、私はようやく言葉を絞り出す。
「……『じゃあね』くらい言ってよ、もう」
でも、その声は届いたのかどうか分からない。彼女はただ、駅の改札口に向かって足早に進んでいた。
そのときの私は、少しだけ安心していた。ニルヴァーナを迎えに来るのは白馬に引かれたカボチャの馬車でも、幾何学模様のUFOでもなくて、息をするようにホームに乗入れていた東京メトロ銀座線だったから。
♦
一九九九年の六月二十九日――四半世紀前の今日。私たちは、高架橋前のタワーレコード渋谷店で出会った。その日の空には、実ったばかりの赤い果実がぼんやりと赤く浮かび上がり、その光に照らされた街並みが静かにその輝きを受けていた。
「心配ないよ。だってこの夏、世界は終わるから」
そこには、世界の終わりみたいな色をした空を見上げながら、意味のない独り言を吐き出した、十五歳の私がいた。
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